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妊娠中について

母体合併症外来

「母体合併症外来」では、糖尿病、妊娠糖尿病、高血圧、甲状腺疾患、自己免疫疾患、腎疾患、心疾患、てんかんなど様々な合併症をお持ちの妊婦さんの妊娠管理を、母性内科と協力して行っています。

診療内容

当院では、内分泌・代謝疾患(糖尿病、妊娠糖尿病、甲状腺疾患など)、自己免疫疾患、心疾患や血液疾患など妊娠中に母親、児に問題となる様々な合併症を持つ妊産婦のために、合併症妊娠外来を設けています。産科と母性内科が連携し、母体と胎児の双方に配慮した治療を行っています。産科と母性内科は同じ日に受診できます。
これらの病気の中には、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなる方が含まれており(下記参照)、厳重に診ていくことが必要です。
また、妊娠前からの管理が必要となる疾患についての相談や治療もおこなっています。

妊娠高血圧症候群について

妊娠20週から分娩後12週の間に「高血圧(140mmHg以上/90mmHg以上)」または「高血圧+たんぱく尿」が認められ、これらの症状が偶然妊娠に重なったものではない場合に「妊娠高血圧症候群」と診断されます。全妊産婦の20人に1人に起こり、妊娠32週以降に発症することが多いと言われています。妊娠32週以前に発症した場合は「早発型」と呼ばれ重症化に注意が必要です。 妊娠高血圧症候群は、まれに母体のけいれん発作(子癇発作)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害といった重い合併症を起こす事があり、また、胎児の発育や健康状態にも悪影響を与える可能性があるため、診断された場合には治療が必要です。妊娠の終了すなわち分娩が根本的な治療になりますが、早産時期には安静や薬物療法を入院のうえで行い、胎児がより成熟して出生できるように妊娠を続ける場合があります。

⇒妊娠高血圧症候群の危険因子として、
①以前の妊娠で妊娠高血圧症候群の発症
②慢性高血圧合併妊娠
③糖尿病合併妊娠
④自己免疫疾患合併妊娠
⑤高度肥満
⑥初診時血圧高値(収縮期 > 130mmHg、拡張期 > 80mmHg)や、初産、高齢妊娠、体外受精、多胎妊娠、高血圧の家族歴、子宮動脈波形の異常などが挙げられます。

①~⑥は特にリスクが高く、妊娠高血圧症候群の発症率が30%程度であることがわかっています。
当センターでは、②~④のように妊娠高血圧症候群のリスクのある合併症妊娠の患者様については、母体合併症外来で厳重に管理を行っています。