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成人期の移行期医療について

キャラクター背景

成⼈期を迎える患者さんに最適な移行期医療を⽀援しています。

 大阪母子医療センターは1981年に設立され、既に40年以上が経ちました。この間、小児期に発症した慢性の病気を持った患者さんが成⼈期を迎えるようになりました。当センターは小児疾患の専門病院であり、成人の総合病院の機能はありません。このため、成人患者さんは新たな医療システムでの診療(「移行期医療」と呼ばれています)が必要となります。

 最適な移行期医療を受けるためには、

  1. 患者さんの自律・自立に向けた支援
  2. 小児診療科から成人診療科への切れ目ない移行の支援

の2つが不可欠となります。当センターは患者さんにとって最適な移行期医療を提供するために以下の支援を行っています。また、患者さんに気軽に移行についてご相談いただけるように患者支援センター内に移行支援相談窓口を設けています。

1. 自律・自立に向けた支援

 小児期から自分の病気について理解することが患者さんの自律・自立にとって大切です。そして、病気をもっていてもその人らしく生活していくことも重要です。当センターでは、自律・自立支援に向けた患者さんへの一般的な教育以外に、先天性心疾患、性分化疾患、総排泄腔遺残症、小児がん経験者などの疾患を対象にして専門移行期外来(ここからステップアップ外来)を設置し、小児期から患者さんの自律・自立支援に取り組んでいます。

2. 切れ目のない移行

 小児期発症の疾患の多くは成人診療科でも対応できます。一方、成人期以後も小児診療科の専門的な医療を要する疾患(例えば先天性疾患)も存在します。また、成人期前後に患者さんの生活環境が変化する場合もあります。成人期に相応しい医療システムへの移行には転院、併診、継続(当センターだけを継続する)の3つの方法があります。当センターでは成人患者さんに最適な移行期医療を提供するために、転院あるいは併診を推奨しています。

転院

 当センターを卒業して成人医療機関に転院することです。この場合も、紹介先での診療が軌道に乗るまでは当センターも⼀緒に診療をサポートします。また、転院後に移行期医療で何かお困りごとが生じた際には当センターの患者支援センター内の移行支援相談窓⼝(電話:0725-55-3113)でご相談をお受けします。

併診

 当センターと成人医療機関の両方を受診することです。疾患の特性からいろいろな併診方法が存在します。同じ疾患を当センターと成人診療科の両方で診ることもひとつです。また、複数の疾患をお持ちの方はある疾患は当センターの専⾨領域の診療を継続しながら、それ以外の疾患に関しては成⼈の診療科に転院することも可能です。

 併診(あるいは継続)する場合に知っておいていただきたいことは、当センターは成人期に発症する疾患への対応は出来ないことです。生活習慣病、がんなどが疑われた場合は成人医療機関に紹介させて頂きます。また、緊急を要する疾患(脳卒中、心筋梗塞、外傷、火傷、骨折など)は成人の救急システムをご利用ください。いずれの場合でも成人医療機関からの要請があれば当センターも治療に協力させていただきます。

大阪母子医療センター