令和5年度 大阪母子医療センター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 6,619 1,553 424 552 116 - - - - -
当センターは、周産期・小児の専門病院です。
全体の7割以上が10歳未満の患者さんで、新生児と小児に専門的な医療を提供するとともにハイリスクな妊産婦への医療も行っています。
20歳以上の入院患者さんは主として産科の患者さんですが、全額または一部自費診療となる場合は、集計の対象外となっております。
診療科は21科あり、新生児から乳児、学齢期、思春期へと継続した高度な医療を提供できる機能を有しております。
また、産科はハイリスク妊娠の診療を行うとともに、年間約1,800例の分娩を取り扱っており、DPC適用にはならない正常な分娩の取り扱いも積極的に行っています。
さらに、一般的な小児疾患や重篤小児救急患者も積極的に受け入れています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児水腫等の胎児疾患、子宮内胎児死亡、骨盤位等等の胎児及び胎児付属物の異常を伴う妊娠および分娩(帝王切開術あり) 175 8.40 9.34 0.00 34.65
120260x001xxxx 胎児機能不全、分娩停止等の分娩の異常【分娩時出血量2000ml未満】(帝王切開術あり) 73 8.29 9.31 0.00 34.04
120180xx99xxxx 胎児水腫等の胎児疾患、子宮内胎児死亡、骨盤位等等の胎児及び胎児付属物の異常を伴う妊娠および分娩 47 5.64 6.65 0.00 32.17
120160xx01xxxx 妊娠高血圧症候群関連疾患(帝王切開術等あり) 47 15.06 12.89 0.00 35.32
120140xxxxxxxx 流産 45 2.13 2.43 0.00 34.80 子宮内容清掃術クリニカルパス
OGCS(大阪府の産科救急・母体搬送を円滑に行うための連絡調整システム)の拠点病院として、年間約1,800例の分娩を取り扱っています。
正常分娩に加えて切迫早産、多胎、胎児疾患、胎児発育不全などの周産期におけるハイリスク症例に幅広く対応しており、合併症をもつ妊婦の管理も多数行っています。
また、妊娠中から継続して産後の管理にも力をいれており、例えば帝王切開を受けた患者さんの入院日数は全国平均より短い入院期間となっています。
なお、産科の特徴として、自費診療の入院が多くありますが、この指標の集計対象から除外されるため、症例数が大幅に少なくなっています。
新生児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 2500g以上で出生した新生児 858 6.74 6.07 0.00 0.00
140010x197x1xx 2500g以上で出生した新生児(新生児蘇生術等の手術あり、中心静脈注射・人工呼吸器あり) 210 9.17 12.48 0.00 0.00
140010x299x0xx 1500g~2499gで出生した新生児 136 9.07 11.01 0.00 0.01
140010x197x0xx 2500g以上で出生した新生児(新生児蘇生術等の手術あり) 48 7.21 8.19 0.00 0.00
040130xx99x1xx 呼吸不全(人工呼吸あり) 47 5.68 15.04 0.00 5.81
NMCS(大阪府新生児診療相互援助システム)の基幹病院として、超低出生体重児(出生体重1000g未満)や重症仮死、新生児期に手術を必要とする重篤な先天性疾患等、新生児集中治療室(NICU)入院患者年間約500症例を診療しています。
また、24時間体制で自施設や受け入れ可能な施設への新生児搬送を行っております。
呼吸器・アレルギー内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー(小児食物アレルギー負荷検査あり) 96 1.01 2.12 0.00 3.36 食物アレルギー負荷テストクリニカルパス
040130xx99x1xx 呼吸不全(人工呼吸あり) 90 7.04 15.04 0.00 7.47
040130xx99x0xx 呼吸不全 65 6.25 10.44 0.00 4.02
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 60 6.77 5.96 0.00 2.55
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸症候群(終夜睡眠ポリグラフィー検査あり) 33 2.67 2.03 0.00 7.12 終夜睡眠ポリグラフィー検査クリニカルパス
小児の呼吸器・アレルギー疾患の診療を行っています。
重度の呼吸不全や先天性気管・気管支狭窄症などの稀な症例から、頻度の高い気管支喘息まで小児呼吸器疾患について幅広く対応しています。
食物アレルギーの負荷試験は、約100例施行しており、日帰り入院で対応しています。
消化器・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060130xx9900xx 胃食道逆流症、早期発症型炎症性腸疾患、機能性ディスペプシア等の食道・胃・十二指腸等の炎症性疾患 90 4.26 7.63 0.00 9.86 上部消化管内視鏡検査クリニカルパス
100250xx99x10x 成長ホルモン分泌不全等の下垂体機能低下症(1種類の内分泌負荷試験あり) 69 1.01 3.12 0.00 5.14 日帰り内分泌負荷試験クリニカルパス
100250xx99x20x 成長ホルモン分泌不全等の下垂体機能低下症(2種類以上の内分泌負荷試験あり) 63 1.44 4.35 0.00 5.59 日帰り内分泌負荷試験クリニカルパス
060185xx99x0xx 潰瘍性大腸炎 45 4.80 10.86 0.00 13.87 レミケード入院クリニカルパス
100330xxxxx00x 栄養障害 43 13.12 17.70 0.00 7.23
低身長の大部分は体質的なものですが、小児内分泌分野では成長ホルモン(GH)分泌不全症やSGA性低身長、ターナー症候群、ヌーナン症候群のようにGH治療が可能な疾患が原因となっていることがあります。当科では入院・外来併せて年間、約280件のGH分泌負荷試験を行っており、現在約430人の患者さんにGHを投与しています。その他内分泌疾患としては甲状腺機能低下症やバセドウ病、思春期早発症、性分化異常症などを多数診療しています。
一方、消化器分野としては、嘔吐、経口摂取困難、下痢、血便などに対して年間410件の上・下部内視鏡・カプセル内視鏡を実施。さらに消化管造影、インピーダンスpHモニターなどの検査も積極的に行っています。重症心身障がい児の栄養管理をはじめ、クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患に対する治療や短腸症候群・慢性仮性腸閉塞症などによる腸管機能不全に対する在宅中心静脈栄養も行っています。
肝臓分野としては、胆道閉鎖症、B型肝炎・C型肝炎、ウイルソン病や肝型糖原病、アラジール症候群などさまざまな疾患に対して肝生検を含めた診断や治療を行っています。
腎・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 19 25.16 19.94 0.00 6.84
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群、慢性間質性腎炎、慢性腎不全(経皮的腎生検あり) 18 6.50 6.44 0.00 12.06 腎生検クリニカルパス
110260xx99x3xx ネフローゼ症候群(リツキシマブ投与あり) 14 2.29 4.65 0.00 11.71 リツキシマブ点滴治療クリニカルパス
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群、慢性間質性腎炎、慢性腎不全(腹膜透析あり) 10 7.00 8.09 0.00 10.90
040130xx99x1xx 呼吸不全(人工呼吸あり) 10 5.30 15.04 0.00 5.70
当科は、腎疾患、骨・ミネラル代謝異常症および糖尿病の診療を行っています。
腎疾患については、腎炎・ネフローゼ症候群の診断・治療、慢性腎臓病の保存期管理から腎代替療法(腹膜・血液透析)の導入・管理まで、一貫した治療を行っています。
ネフローゼ症候群に対しては、ステロイド、内服の免疫抑制療法に加えてリツキシマブ治療も行っています。腎生検や腹膜平衡試験(PET)の入院にはクリニカルパスを適用し、在院日数の短縮を図っています。
骨形成不全症に対するビスホスホネート治療、軟骨無形成症へのボソリチド、低リン血症くる病へのブロスマブ投与を行っています。
その他、尿崩症の水制限試験や糖尿病のインスリン導入・ケトアシドーシス治療なども行っています。
血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病(輸血を含む手術あり・化学療法あり) 61 27.36 36.15 0.00 8.16
130010xx99x2xx 急性白血病(化学療法あり) 54 5.11 8.22 0.00 5.50
130090xx97x0xx 貧血(輸血を含む手術あり) 23 3.35 10.70 0.00 2.91
100180xx97x1xx 神経芽腫等の副腎皮質機能亢進症・非機能性副腎皮質腫瘍(手術あり、化学療法・放射線療法あり) 21 23.76 24.80 0.00 4.48
100180xx97x0xx 神経芽腫等の副腎皮質機能亢進症・非機能性副腎皮質腫瘍(手術あり) 19 2.47 12.00 0.00 6.00
急性白血病に対する治療期間は約2年に及ぶことから、以前は6ヶ月以上の長期入院が普通でした。最近は、入院期間を短縮して患者のQOL(生活の質)を保つよう努めています。
2023年からはCAR-T細胞療法(チサゲンレクルユーセル)の施設認定を受け、実施可能となっております。
また、当センターでは小児がんを克服した患者の晩期合併症(低身長・肥満・不妊など)への対応を行う長期フォローアップ外来に力を入れています。
なお、入院中に造血細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、さい帯血移植)を実施した患者は集計対象外となっております。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 254 6.46 7.19 0.00 7.36 てんかん検査クリニカルパス
100335xx99x2xx ミトコンドリア病・ムコ多糖症・ゴーシェ病等の代謝障害(酵素療法あり) 74 1.01 5.83 0.00 21.27
010310xx99x1xx 低酸素性脳症、麻痺疾患等の脳の障害(中心静脈注射・人工呼吸あり) 61 5.20 14.31 0.00 17.33
010230xx99x10x てんかん(人工呼吸あり) 60 5.53 12.32 0.00 13.32
180030xxxxxx0x 突発性発疹症・RSウイルス感染症・COVID-19等のウイルスおよび細菌感染症 48 9.31 8.60 0.00 11.79
てんかんは小児期に多い神経疾患です。
当センターには病棟にビデオ脳波室が2部屋あります。
てんかんの診断がつかない症例、難治な症例ではビデオ脳波検査を行い、正確な診断と適切な治療を心掛けています。
乳幼児期発症のてんかん性脳症(ウエスト症候群、大田原症候群、早期ミオクロニー脳症など)の経験も豊富です。
また、近年治療が可能となった神経筋疾患(脊髄性筋萎縮症)の拡大新生児マススクリーニングを含む検査・治療も積極的に行っています。
小児循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【1歳以上】(心臓カテーテル検査あり) 110 4.89 4.00 0.00 8.70 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
14031xx09900xx ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【1歳以上】 58 3.26 5.68 0.00 7.64
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 33 8.12 5.96 0.00 4.03
04026xxx9903xx 肺高血圧症(マシテンタンの内服あり) 32 4.91 18.79 0.00 6.00
050070xx01x0xx WPW症候群、心室期外収縮等の頻脈性不整脈(経皮的カテーテル心筋焼灼術あり) 29 6.14 4.57 0.00 14.45 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
当科では、一般病院では管理が困難な重症先天性心疾患の胎児診断、出生後の管理、治療を積極的に行っています。
小児の心臓カテーテル検査は3泊4日を基本にしており、クリニカルパスを用いて標準化した医療を提供しています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア【15歳未満】(鼠径ヘルニア手術あり) 137 3.50 2.75 0.00 4.05 鼠径・臍ヘルニアクリニカルパス
060170xx02xx0x 臍ヘルニア・腹壁ヘルニア等の腹腔ヘルニア(腹壁瘢痕ヘルニア手術等あり) 26 3.35 6.86 0.00 2.42
14044xxx99x0xx 直腸肛門奇形、ヒルシュスプルング病 13 4.77 5.68 0.00 2.92
11022xxx01xxxx 陰のう水腫・精巣捻転・包茎等の男性生殖器疾患(陰のう水腫手術・精巣固定術・包茎手術等あり) 10 3.60 3.69 0.00 2.80
060150xx99xxxx 虫垂炎 - - 8.02 - -
当科でDPC診療を行っている疾患は鼠径ヘルニアが最も多く、男女ともに腹腔鏡下手術を行い、原則として2泊3日の入院で、手術翌日に退院しています。
また、臍ヘルニアも同様に通常2泊3日の入院で手術を行っています。
急性虫垂炎については、手術を行う場合と腫瘤形成性のために抗生剤投与で保存的に加療し、数ヶ月後に手術を行う(interval appendectomy)を行う場合があります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 毛巣洞・蜂窩織炎等の膿皮症 92 2.07 12.88 0.00 1.13
140080xx99x00x 脊髄脂肪腫・脊髄髄膜瘤を伴う水頭症等の脳および脊髄の先天異常 78 2.06 3.08 0.00 4.22 繋留解除術クリニカルパス
010010xx9900xx 脳腫瘍 60 2.17 11.20 0.00 6.28
160100xx99x00x 頭部打撲、頭蓋骨骨折、脳振盪等の外傷による頭蓋・頭蓋内損傷 43 2.86 8.38 0.00 3.47 頭部外傷後経過観察クリニカルパス
180040xx97x0xx シャント機能不全・カテーテル感染症等の手術・処置等の合併症(手術あり) 16 10.94 12.20 0.00 10.44
仙骨部皮膚洞(毛巣洞)や腰仙部から尾骨部までの皮膚陥凹症例の一部に、脊髄の先天性病変(潜在性二分脊椎)がみられます。
乳児期に、脊髄の精密検査をし、必要な場合には脊髄の手術をします。
脳・脊髄の先天異常のグループには、いろいろな脳と脊髄の先天異常が含まれます。
二分頭蓋(脳瘤)、二分脊椎、くも膜のう胞などが含まれます。手術治療を行い、長期的に脳や脊髄を保護します。
脳腫瘍のグループには、多くの脳腫瘍が含まれ、検査、治療を含みます。小児では、術後フォローアップ検査を入院で実施することがあるため、平均在院日数が全国と比較すると短くなる傾向があります。
外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、頭部骨折、頭部打撲等のグループには、頭部外傷による頭蓋内出血等が含まれ、経過観察が中心ですが、手術を行うこともあります。
シャント不全、頭蓋骨欠損、急性硬膜下血腫等 頭蓋骨形成手術、シャント手術等ありのグループには、種々の小児脳神経外科的病態が含まれ、手術治療を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣(手術あり) 108 2.23 2.97 0.00 2.75 停留精巣クリニカルパス
11022xxx01xxxx 陰のう水腫・精巣捻転・包茎等の男性生殖器疾患(陰のう水腫手術・精巣固定術・包茎手術等あり) 63 2.03 3.69 0.00 7.11
140580xx02xxxx 総排泄腔外反症、非触知精巣等の先天性下部尿路疾患(尿道形成手術等の手術あり) 50 13.18 9.30 0.00 1.20 尿道下裂修復術クリニカルパス
11013xxx03xxxx 膀胱尿管逆流症等の下部尿路疾患(尿管膀胱逆流手術あり) 26 7.62 8.44 0.00 3.08 膀胱尿管逆流クリニカルパス
140580xx97xxxx 総排泄腔外反症、非触知精巣等の先天性下部尿路疾患(手術あり) 23 3.48 9.01 0.00 2.13 停留精巣クリニカルパス
当科では、小児の外性器異常、先天性腎尿路異常の治療を多数行っています。
上記の先天性膀胱尿管逆流は開腹手術のみが対象となっていますが、ここに含まれない内視鏡を使った手術 (デフラックス注入)を合わせると年間約40例になります。
いずれもクリニカルパスを用いて在院日数の短い標準化した医療を提供しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx970xxx 母斑、母斑症(露出部の腫瘍摘出術あり) 102 3.08 3.80 0.00 4.74 短期入院クリニカルパス
080007xx010xxx 上皮腫等の皮膚に発生した良性腫瘍(露出部の腫瘍摘出術あり) 62 3.19 3.93 0.00 6.21 短期入院クリニカルパス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症(レーザー治療あり) 42 2.90 3.50 0.00 3.95 レーザー照射術クリニカルパス
140210xx02xxxx 先天性耳瘻孔・副耳(副耳(介)切除術あり) 31 3.13 3.01 0.00 1.97
140490xx970xxx 先天性内反足、多指(趾)症等の手足の先天性疾患(手術あり) 25 7.64 7.57 0.00 1.20
当科で最も症例数が多いのは母斑です。入院での母斑のレーザー治療は42例ありました。当科では、母斑に対するレーザー治療は主に外来で行っており、約1,400人の患者さんに対して行っています。麻酔なしでの治療が困難であると判断した患者さんに対しては外来ではなく、入院して治療を行います。
入院して治療を行う場合は、クリニカルパスを用いて標準化した治療を行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020150xx97xxxx 斜視(斜視手術あり) 114 3.68 3.08 0.00 7.57 斜視手術クリニカルパス
140100xxxxxxxx 先天性眼瞼内反症・無眼球症等の眼の先天異常 35 3.00 3.25 0.00 6.80 眼瞼内反症手術クリニカルパス
020320xx97xxxx 霰粒腫、眼瞼内反症等の眼瞼・涙器・眼窩の疾患(手術あり) 23 3.00 3.17 0.00 6.26
020110xx97xxx0 白内障等の水晶体疾患【片眼】(水晶体再建術あり)   - - 2.54 - - 白内障手術クリニカルパス
020290xx97xxxx 鼻涙管狭窄症等の涙器の疾患(手術あり) - - 4.48 - - 鼻涙管閉塞症クリニカルパス
当科は、小児眼科疾患を専門的に扱える数少ない施設です。
全体の過半数を占める斜視手術では、平均在院日数が全国平均より長めとなっております。これは、他院に比べて低年齢の患者さんが多く、術後の観察期間を長く設定しているためです。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃肥大、アデノイド肥大等の扁桃・アデノイドの慢性疾患 192 4.92 7.53 0.00 5.14 扁桃・アデノイド摘出術クリニカルパス
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞(手術あり) 133 3.04 3.23 0.00 5.47 鼓膜チューブ留置術クリニカルパス
030425xx99xxxx 難聴等の聴覚の障害 - - 7.18 - -
140210xx01xxxx 先天性耳瘻孔・副耳(先天性耳瘻管摘出術あり) - - 3.38 - - 先天性耳瘻孔・副耳クリニカルパス
030425xx97xxxx 難聴等の聴覚の障害(手術あり) - - 7.01 - - 人工内耳埋め込み術クリニカルパス
症例数が最も多いのは睡眠時無呼吸症候群の原因である扁桃・アデノイド肥大に対する手術症例、2番目は慢性滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置術症例、3番目は慢性穿孔性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対する鼓膜形成術、鼓室形成術、乳突削開術症例です。
大半の症例が短い入院日数となっています。
小児では回復が早いということもありますが、患者さん・保護者の負担とならないように至適な期間での入院を心がけている結果です。
また、処置なども必要最低限になるように注意しています。
耳科手術においては内視鏡を使った体への負担が少ない手術が多くなっており、人工内耳手術に関しても、可能な限り小さな切開で行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140490xx970xxx 先天性内反足、多指(趾)症等の手足の先天性疾患(手術あり) 85 10.95 7.57 0.00 7.16
140500xx97x0xx 骨形成不全・先天性絞扼輪等の骨軟骨先天性形成異常(手術あり) 31 27.52 20.72 0.00 12.32
140510xx99xxxx 先天性股関節脱臼・臼蓋形成不全等の股関節および大腿骨の先天性疾患 17 17.41 12.44 0.00 2.71
070210xx97xxxx 内反膝、外反膝、内反足、尖足等の下肢の後天性変形(手術あり) 15 9.53 15.46 0.00 9.93 骨端成長抑制手術クリニカルパス
140490xx971xxx 先天性内反足、多指(趾)症等の手足の先天性疾患(骨移植・植皮術を同時に行う手術あり) 13 10.31 8.70 0.00 5.46 合趾症手術クリニカルパス
多指症手術クリニカルパス
先天性の疾患の患者さんは遠方からも受診され、大阪府外からも来院されているのが特徴です。
小児の場合、術後の患部の安静が難しいこと、先天性疾患に対する手術の複雑さのため、在院日数はやや長めになっておりますが、可能な限りクリニカルパスを用いて標準化した医療を提供しています。
また、術後早期からのリハビリも積極的に行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【1歳以上】(ファロー四徴症手術等あり) 25 21.52 23.78 0.00 2.76 心内修復術クリニカルパス
14031xx003x0xx ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【1歳以上】(心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの)等の手術あり) 14 14.93 14.88 0.00 2.86
14031xx103x0xx ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【0歳】(心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの)等の手術あり) 10 23.40 20.56 0.00 0.00
050210xx97000x 房室ブロック等の徐脈性不整脈(ペースメーカー移植・交換術・心臓カテーテル検査等あり) - - 9.77 - - ペースメーカー電池交換術クリニカルパス
14031xx101x00x ファロー四徴症・心室中隔欠損症・左心低形成症候群等の先天性心疾患【0歳】(大血管転位症手術 大血管血流転換術(ジャテーン手術)等の手術あり) - - 43.96 - -
2023年度の当科の入院症例で多かったのは、就学年齢までに修復手術(根治手術)を行うような、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症、房室中隔欠損症といった先天性心疾患です。
特に心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の修復手術では、縮小切開等の低侵襲手術を行い、美容面を考慮すると同時に早期退院が可能となっています。
新生児期に手術が必要な完全大血管転位症などにも対応しており、生後1週間程度で動脈スイッチ手術(ジャテーン手術)を行います。
また、徐脈性不整脈に対しては、ペースメーカー植込みを行い、定期的に電池交換術を行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 28 7.04 5.96 0.00 0.79
180030xxxxxx0x 突発性発疹症・RSウイルス感染症・COVID-19等のウイルスおよび細菌感染症 25 5.32 8.60 0.00 1.52
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 17 3.82 3.56 0.00 1.94
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 17 5.41 5.86 0.00 3.65
0400801199x00x 肺炎等【1歳以上15歳未満】 13 7.38 5.62 0.00 2.85
酸素投与や場合によっては高流量酸素療法(High-Flow Nasal Cannula)、挿管、人工呼吸療法を行い、病勢が収まるのを待つ間サポートします。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - -
大腸癌 - - - - - - - -
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当センターは、小児の悪性腫瘍の治療を積極的に行っています。
当センターで扱う悪性腫瘍のほとんどは血液腫瘍や軟部腫瘍といった小児に多い悪性腫瘍のためUICC病期分類に該当する症例は少ないです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 17.64 27.14
中等症 10 18.00 32.00
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
当センターは、成人市中肺炎の治療を行うために入院する18歳以上の患者さんは少ないです。
当センターにおいて成人市中肺炎の治療を行うのは、小児期に発症した慢性疾患を持ち他病院へ移行が困難な患者さんがほとんどで、在院日数が長くなる傾向があります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- - - - -
脳梗塞は、小児に発症することはほとんどなく、年間症例数が10未満でしたので、定義に基づき表示していません。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 緊急帝王切開術 222 5.00 6.36 0.00 34.03 帝王切開後(母子同室)クリニカルパス
K8982 選択帝王切開術 160 2.81 5.83 0.00 34.87 帝王切開後(母子同室)クリニカルパス
K9091イ 妊娠11週までの手動真空吸引法による流産手術 35 1.03 0.03 0.00 34.34 子宮内容清掃術クリニカルパス
K907 胎児外回転術 29 0.00 1.17 0.00 35.17 胎児外回転術クリニカルパス
K910-2 内視鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術 27 3.85 14.07 0.00 33.26 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術クリニカルパス
手術室や関連科と協力し、常時緊急帝王切開の対応が可能な体制をとっています。
ハイリスク妊娠である多胎妊娠に対して専門チームを構成し、専門的管理を提供しています。
また、双胎特有の病態である双胎間輸血症候群に対するレーザー凝固術等の胎児治療を精力的に行っております。
逆子でも自然分娩を希望される妊婦に対する骨盤位外回転術が可能な施設です。
新生児内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術【仮死第1度】 348 0.00 17.17 0.03 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術【仮死第2度】 40 0.03 31.13 0.00 0.00
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K639 急性汎発性腹膜炎手術 - - - - -
K145-2 皮下髄液貯溜槽留置術 - - - - -
新生児仮死蘇生術を受けた患者さんは、引き続き治療を要する場合が多く、新生児内科入院となります。
その入院期間は、仮死蘇生術の実施日を含み、仮死第1度の場合は約18.2日、仮死第2度の場合は約31.1日でした。
小児循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K570-3 経皮的肺動脈形成術 55 2.11 6.87 0.00 3.20 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 22 2.77 5.23 0.01 13.82 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
K5621 動脈管開存症手術《経皮的動脈管開存閉鎖術》 21 1.00 3.14 0.00 3.86 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
K5951 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴う経皮的カテーテル心筋焼灼術 10 1.50 3.50 0.00 15.30 心臓カテーテル検査・治療クリニカルパス
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 - - - - -
心臓カテーテルによる治療は、心臓血管外科と連携して治療、手術計画をたてて行われる場合も多いのですが、入院期間は1週間を基本としています。
その他、当科で施行している手術治療としては、動脈管開存に対するコイル治療やアンプラツァーによる治療をはじめ、不整脈に対するカテーテル治療も行っています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術【両側】 147 1.51 1.01 0.00 3.99 鼠径・臍ヘルニアクリニカルパス
K6333 臍ヘルニア手術 19 1.32 1.00 0.00 2.16 鼠径・臍ヘルニアクリニカルパス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 15 3.47 9.13 0.00 6.13 胃瘻造設術クリニカルパス
K5113 肺切除術【肺葉切除】 - - - - -
K7151 非観血的腸閉塞症手術《腸重積症整復術》 - - - - -
当科でDPC診療を行っている疾患は鼠径ヘルニアが最も多く、男女ともに腹腔鏡下手術を行い、原則として2泊3日の入院で、手術翌日に退院しています。
また、臍ヘルニアも同様に通常2泊3日の入院で手術を行っています。
当施設は全国的に見ても経口摂取障害や栄養障害のある小児に対する経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)を積極的に行っている施設の一つです。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K186 脊髄硬膜内神経切断術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 - - - - -
K1911 脊髄腫瘍摘出術【髄外】 - - - - -
K1743イ 水頭症手術《頭側シャント再建術》 - - - - -
K610-2 脳新生血管造成術 - - - - -
脊髄硬膜内神経切断術と髄外の脊髄腫瘍摘出術は、脊髄脂肪腫に対する手術です。先天的な脊髄脂肪腫に対して脊髄係留解除術を行います。
頭蓋内腫瘍摘出術は、脳腫瘍を摘出する手術です。
水頭症手術(頭側シャント再建術)は、VPシャント再建術において、脳室チューブのみ交換する手術です。
脳新生血管造成術はもやもや病に対する間接血行再建術です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K836 停留精巣固定術 111 0.54 0.74 0.00 2.77 停留精巣クリニカルパス
K819 尿道下裂形成手術 46 1.00 10.91 0.00 1.11 尿道下裂修復術クリニカルパス
K8282 包茎手術《環状切除術》 37 0.27 0.32 0.00 4.32 包茎手術クリニカルパス
K809-2 膀胱尿管逆流手術 27 1.26 5.19 0.00 3.19 膀胱尿管逆流クリニカルパス
K8181 前部尿道の尿道形成手術 18 1.00 9.17 0.00 3.11
停留精巣固定術や包茎および陰のう水腫に対する手術は原則として日帰り入院で手術を行っています。
尿道下裂形成術は1歳前後で手術を行っており、導尿の管を抜いてからの退院となりますので、2週間程度の入院になります。
膀胱尿管逆流手術(開腹)は、7日程度の入院になります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0052 長径2センチメートル以上4センチメートル未満の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 85 1.00 1.11 0.00 4.21 短期入院クリニカルパス
K0051 長径2センチメートル未満の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 52 0.94 1.04 0.00 6.37 短期入院クリニカルパス
K288 副耳(介)切除術 32 1.00 1.13 0.00 2.38
K0053 長径4センチメートル以上の皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 25 1.00 1.76 0.00 5.04 短期入院クリニカルパス
K6333 臍ヘルニア手術 16 1.00 2.19 0.00 5.69 短期入院クリニカルパス
母斑の患者さんには、3~4日の入院でクリニカルパスを用いて、標準化した治療を行っています。
当センターでは、低年齢児への麻酔が可能ですので、麻酔をしなくても手術・処置が行える年齢まで待つことなく、ご希望に沿って治療時期を決定することが可能です。
母斑手術(皮膚、皮下腫瘍摘出術)は大きさにより分類が異なるため、症例数が分散されています。また、母斑に対してはレーザー治療を数多く行っていますが、診療報酬請求上は処置に分類されるため、手術数には集計されていません。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2423 斜視手術【前転法および後転法の併施】 72 1.00 1.75 0.00 7.85 斜視手術クリニカルパス
K2172 皮膚切開法による眼瞼内反症手術 37 1.00 1.00 0.00 7.16 眼瞼内反症手術クリニカルパス
K2425 斜視手術【直筋の前後転法および斜筋手術の併施】 17 1.00 1.65 0.00 7.71 斜視手術クリニカルパス
K2424 斜視手術《斜筋手術》 14 1.00 1.64 0.00 5.14 斜視手術クリニカルパス
K214 霰粒腫摘出術 13 1.00 1.00 0.00 4.62 眼瞼腫瘤クリニカルパス
当科では、小児において特に多い各種斜視に対して、年間約100例の手術を行っています。眼球に付着している筋肉の位置を変え、眼位の矯正を行いますが、目の状態により後転法、前後転法、短縮法などを選択します。いずれの場合も年齢や状態に合わせ、眼位検査や視機能検査を実施し、術後の痛みが和らいでから退院します。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術【摘出】 155 1.06 3.39 0.00 5.24 扁桃摘出術クリニカルパス
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 148 1.01 1.08 0.00 5.49 鼓膜チューブ留置術クリニカルパス
K370 アデノイド切除術 20 1.10 1.20 0.00 4.60 扁桃・アデノイド摘出術クリニカルパス
K287 先天性耳瘻管摘出術 - - - - -
K328 人工内耳植込術 - - - - 人工内耳埋め込み術クリニカルパス
当科では手術前日午後の入院としています。
退院日は、鼓膜チューブ挿入術では手術当日、アデノイド切除術では手術翌日、口蓋扁桃摘出術、鼓室形成術、人工内耳植込術では術後3~5日目に設定しています。
小児専門病院ということもあり、低年齢であっても手術を行っています。
また、合併症をもつ患者さんが多いのも特徴となっていますが、麻酔科の協力で安全に治療を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0581 骨長調整手術《骨端軟骨発育抑制術》 25 1.24 6.52 0.00 10.16 骨端成長抑制手術クリニカルパス
K0584 手足の指以外の骨長調整手術《骨延長術》 25 1.00 47.00 0.00 12.56
K0482 上腕および大腿の骨内異物(挿入物を含む)除去術 22 1.00 1.59 0.00 11.09
K038 腱延長術 19 0.95 4.21 0.00 4.42
K0461 上腕および大腿の骨折観血的手術 14 2.07 14.64 0.00 9.00
これまで骨延長術での対応が多かった疾患に対して、患者負担の少ない骨端軟骨発育抑制術も多くしています。
骨端軟骨発育抑制術の増加に伴い、骨内異物除去術(プレート、スクリュー、ワイヤー抜去)も同様に多くなっています。
一方、骨端軟骨発育抑制術にて対応が困難な脚長不等や変形に対しては、骨延長術による骨長調整手術をおこなっています。
当科では、可能な限りクリニカルパスを用いて標準化した治療を行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5761 心室中隔欠損閉鎖術 21 4.24 13.10 0.00 1.38 心内修復術クリニカルパス
K597-2 ペースメーカー交換術 10 1.00 3.10 0.00 19.40 ペースメーカー電池交換術クリニカルパス
K5862 フォンタン手術 - - - - -
K5822 右室流出路形成を伴う両大血管右室起始症手術 - - - - -
K5762 肺動脈絞扼術後肺動脈形成を伴う心室中隔欠損閉鎖術 - - - - -
当科で多い手術は、心室中隔欠損閉鎖術や心房中隔欠損閉鎖術で、入院期間は約1~2週間です。縮小切開等の低侵襲手術により早期退院を目指しています。
ファロー四徴症に対しては、1歳頃に手術を行うことが多く、入院期間は約1か月で、術後にチアノーゼは消失します。
単心室症に対するフォンタン手術では、生後から段階的に治療を進め、2才頃に最終手術としてフォンタン手術を行います。
入院期間は約1ヶ月で、術後は顔色不良等のチアノーゼ症状が改善します。また、最終手術により良い状態で臨めるように、肺動脈形成や体肺動脈短絡術といったいわゆる“準備手術”を行うことも多いです。
これらの準備手術は1才までに行うことが多く、入院期間は約2週間~1ヶ月くらいです。
徐脈性不整脈に対してはペースメーカー植込みを行っていますが、ペースメーカー電池消耗に対し、数年に1回電池交換術を行います。入院期間は約5日間です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 51 0.55
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症、その他の真菌症は、いずれも年間10症例未満でした。
DPC 180040の手術・処置等の合併症には水頭症のシャント不全等が含まれます。
ただし、小児の場合は、成長に伴ってシャントの交換が必要となり、長期間の経過を見守るべき小児医療においてはシャント不全でなくともシャント交換は不可避です。
また、この項目には、経管栄養や透析チューブの感染症例が含まれます。
長期にわたり在宅管理をしていると、これらの合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。
当センターでは、これらの合併症を予測し定期的な外来受診を促すとともに、発症した場合はすぐに入院治療ができる体制を整えております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
390 381 97.69
産科患者に対して肺血栓塞栓症の予防ガイドラインに従い標準的な予防策を行っていますが、15歳以上の患者における外科手術においては脊椎手術を中心に肺血栓塞栓症の予防を行っています。一部、対象となる手術を施行した患者において、物理的に弾性ストッキング、フットポンプを使用できない整形外科手術患者(両下肢手術など)では肺血栓塞栓症の予防は不可能なため、早期にリハビリテーション介入等を行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1,976 129 6.53
大人と異なり、体格の小さな小児では常に2セット採取することが推奨されているわけではなく、体格が大きい学童期の児や重症感染症の場合にのみ2セットを考慮します。そのため、小児領域では、2セット実施率の適切な水準は明確ではなく、成人に比べると低値となります。当センターでは新生児集中治療室、小児集中治療室などの重症感染症を診療する機会の多い診療科については2セット採取されていることが多いです。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
319 235 73.67
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は小児であっても高ければ高い方がよい指標であり、当院での実施率はまずまずといえます。当センターでは周産期・小児感染症科あるいは抗菌薬適正使用支援チームが、広域スペクトル抗菌薬が使用された際には患者の状況を逐一確認しており、適切な検査の実施についても助言を行っています。引き続き適切に細菌培養が実施されるよう徹底していきます。
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