免疫部門

部長からのごあいさつ

部長挨拶西暦2100年日本の総人口は現在の水準から半減~3分の1程度にまで減少すると予想されます。そして、先進諸国では早産比率が上昇しています。早産とは在胎週数22週から37週未満で出産することをさします。わが国の早産率は5.8%でじわじわ増加しており、年間6万人もの赤ちゃんが早産で産まれています。早産は児の呼吸器系や神経系などの合併症と関連することがあり、周産期医療にとっては最大の課題です。早産の予防こそが、周産期死亡及び続発する合併症による障害発生の防止に最も効果的であり、少子化対策上も喫緊の課題となっています。


さて、早産の主な原因として、細菌による胎内感染や炎症がおよそ半数に及ぶとされています。これまで大腸菌、連鎖球菌、ガードネレラなど多くの細菌が早産の起因微生物として同定されてきました。我が国では、周産期医療の向上により従来の病原性細菌に対する対策が進む一方で、抗菌薬の効きにくい低病原性細菌への対策が進んでいません。健康な人には病原性を示さず、妊産婦や高齢者、新生児など免疫力の低下した人にだけ病原性を示す感染症を制圧することは困難です。なぜなら、多くの健康な人は無症状にもかかわらずこれらの細菌を保有しているからです。これら低病原性細菌による感染は、「次世代の疲弊化」につながると危惧しています。


患者さんに直接お目にかかる機会は少ないのですが、子どもたちの未来のために役立つ研究を行っています。

免疫部門 部長 柳原 格


部長プロフィール

1990年
山形大学医学部医学科卒業、大阪大学医学部小児科 研修医
1996年
大阪大学大学院医学研究科修了(医学博士)
1996年~1998年
大阪府立母子保健総合医療センター研究所 環境影響部門 流動研究員
1998年~1999年
大阪大学微生物病研究所 細菌感染分野 谷口奨学生
1999年~2002年
大阪大学微生物病研究所 細菌感染分野 助手
2002年~現在
大阪府立母子保健総合医療センター研究所 免疫部門 部長

学会活動、教育等

  • United States-Japan Cooperative Medical Science Program (日米医学協力研究会)
    コレラ・細菌性腸管感染症専門部会 研究員
  • 日本マイコプラズマ学会 理事
  • 大阪大学医学部 細胞認識機構学 招へい准教授
  • 近畿大学医学部 救急医学 非常勤講師
  • 日本細菌学会関西支部 評議委員
  • 日本細菌学会 バイオセーフティー委員会委員

これまでの経歴

  • WHO, Preterm Birth International Collaborative, Member
  • 国立感染症研究所 細菌第一部 客員研究員
  • Division of Pulmonary Biology, Cincinnati Children's Hospital, Visiting Physician
  • 大阪大学蛋白質研究所 構造プロテオミクス研究系、分子創製学 共同研究員
  • 日本マイコプラズマ学会 評議員
  • 毒素(トキシン)シンポジウム 運営委員、監査委員

専門

  • 周産期・小児感染症、病原因子解析