代謝部門

研究内容

稀少難治性疾患・遺伝性疾患の研究

大阪母子医療センターでは先天性疾患・遺伝性疾患の患者が多く受診しています。稀少難治性疾患や発達障害(自閉症、知的障害、てんかんなど)の方も多いです。多くの疾患の原因が分子レベルで解明されていますが、未だに原因不明の疾患の方が多いのが現状です。こうした原因が未解明の疾患について、最新の技術を応用して病態を解明します。病院部門と連携をはかり、専門研究機関と共同研究を行っています。
日本医療研究開発機構(AMED)では、「原因不明遺伝子関連疾患の全国横断的症例収集・バンキングと網羅的解析」、IRUD:Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases研究にも参画しています。稀少疾患を通じて、新規の生命科学的知見を得ることが可能になる場合があります。一部の疾患については、共同研究機関においてiPS細胞を作成して、病態解明、治療の検討を行っています。

生体内でおこる細胞融合の機構と関連疾患に関する研究

胎盤や筋肉が作られ、機能を発揮するには細胞融合という特有の現象を経ることが必要です。細胞融合に関する本部門の研究は、創傷治癒や胎児期「からだづくり」の際に起こるさまざまな体壁閉鎖body wall closureの機構解明へと発展しています。細胞融合は幹細胞分化やがん化とも関係することから、その機構の解明によって胎盤形成の障害による流産や不育症の原因究明や先天性筋肉疾患の治療開発、さらには再生医療につながることが期待されます。


糖鎖関連疾患の診断支援を含む研究

糖タンパク質糖鎖の生合成障害でおこる100以上の疾患群の総称である先天性グリコシル化異常症CDGは、その多くが発達の遅れをおこしますが、通常の検査等では診断が不可能であるために、ほとんどの症例が診断されないままとなっています。CDG の原因はかつて当部門において質量分析法を用いて解明されましたが、その後CDG 診断法を確立し、全国の医療機関に対して診断支援を行うことで研究成果を社会に還元しています。また、質量分析法をはじめとする解析手法によって未解明な糖鎖機能を明らかにする研究も行っています。