消化器・内分泌科

消化器・内分泌科

診療科概要

小児は成長発育するという特性をもっていますが、栄養の過少、消化管や肝臓の慢性疾患、あるいはホルモンの乱れなどによって、その成長が障害されることがあります。消化器・内分泌科ではこれらの広範な疾患に対して常勤医5名による専門医療を行っています。

内分泌疾患

消化器・内分泌科 下記の症状を有する患者さんを対象としています。

  • 身長が低い
  • 身長が高すぎる
  • 体重増加不良
  • 肥満、メタボリックシンドローム
  • 思春期早発(小学校低学年までに乳腺腫大や陰毛が見られる、10歳半までに性器出血を認めた、9歳より前に精巣が大きくなってきた)
  • 思春期遅発(14歳になっても生理がこない、あるいは精巣が大きくなってこない)
  • 甲状腺が腫れている
  • 外性器の異常
  • 新生児マススクリーニングで精密検査が必要と言われた(先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症)


主な対象疾患

  • 成長障害
    成長ホルモン分泌不全性低身長、SGA性低身長、ターナー症候群、プラダー・ウィリ症候群、ヌーナン症候群など
  • 下垂体疾患
  • 先天性高インスリン血症、低血糖症
  • 思春期早発症
    ゴナドトロピン依存性思春期早発症、McCune-Albright症候群
  • 思春期遅発症
    体質性思春期遅発症、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(カルマン症候群、複合型下垂体ホルモン分泌不全症など)
  • 複合型下垂体ホルモン分泌不全症
  • 性分化疾患(DSD)
    性腺分化障害(スワイヤー症候群、卵精巣性DSDなど)、アンドロゲン不応症、アンドロゲン合成障害・過剰(先天性副腎皮質過形成症、5α還元酵素欠損症など)
  • 副腎疾患
    先天性副腎低形成症、先天性副腎過形成症、クッシング症候群、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症
  • 甲状腺疾患
    先天性甲状腺機能低下症、甲状腺炎(橋本病、萎縮性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎)、甲状腺中毒症(バセドウ病、無痛性甲状腺炎)

  • 肥満、メタボリックシンドローム、糖・脂質代謝異常
  • 小児がん治療後の長期フォローアップ(血液・腫瘍科と協力)

身長や体重が大きくなる発育のパターンはそれぞれのお子さんによって異なりますが、身長や体重の伸びが小さく/大きくなったりすることが病気の症状であることがあります。近年は成長曲線などの情報がインターネットからも簡単に入手可能となりました。発育に関する不安がある場合、まず成長曲線上に今までの成長の記録をつけてみてください。そして、標準的な身長から大きく外れている場合(-2.0SDを下回る場合や+2.0SDを上回る場合)や身長の伸びが急に大きくなったり小さくなったりする場合には、成長の記録をご持参のうえ、ぜひご相談ください。低身長の中には成長ホルモンによる治療が可能な病気が原因になっていることがあります。当院では、成長ホルモン分泌不全性低身長やSGA性低身長、プラダー・ウィリ症候群、ターナー症候群、ヌーナン症候群などの患者さんに成長ホルモン治療を行っており、現在約450名に成長ホルモン治療を施行しております。

性分化疾患の診断・治療については日本で中心的役割を果たしており、非常に多くの症例を経験しています。性成熟の過程が非典型的な場合、例えば、外性器の形態や思春期の進行に問題を認める場合には、ご相談ください。小児泌尿器科、こころ科、遺伝診療科、看護部などの部門と協力し、多職種で包括的に対応しています。患者さんやご家族に対する心理的なサポートも行っています。

消化器疾患・肝疾患

消化器・内分泌科 下記の症状を有する患者さんを対象としています。

  • 長引く下痢
    2週間以上持続し、体重増加不良・体重減少や血便を伴う場合

  • 血便
    便自体に赤い血液が混じる、便表面に鮮血が付着する、粘血が混じった便が出る、黒い便が出る場合など
  • 繰り返す腹痛
    特に体重減少、下痢、食欲不振などを伴う場合や夜間腹痛で目が覚める場合
  • 嘔気、嘔吐
    特に数日以上にわたり、反復して持続する場合
  • 難治性の便秘
    通常の治療で改善しない場合、体重増加不良や嘔吐を伴うなど生活に支障がでる場合
  • 体重増加不良、体重減少
  • 黄疸、胆汁うっ滞
  • 肝障害(肝逸脱酵素上昇など)


主な対象疾患

  • 炎症性腸疾患(乳児期発症の炎症性腸疾患を含む):クローン病、潰瘍性大腸炎、腸管ベーチェット病

  • 難治性下痢症
  • 胃食道逆流症/逆流性食道炎
  • 機能性消化管障害(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、反復性腹痛など)
  • 胃十二指腸潰瘍・ヘリコバクターピロリ菌感染症
  • 好酸球性胃腸炎・食道炎
  • 新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症
  • 消化管ポリープ/ポリポーシス
  • 難治性重症便秘症
  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)
  • 急性肝不全
  • 乳児胆汁うっ滞症候群
  • 代謝性肝疾患
  • 肝硬変
  • 原発性硬化性胆管炎
  • 自己免疫性肝炎
  • 脂肪肝(NASH)
  • 体質性黄疸
  • 門脈圧亢進症
  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎

消化器疾患については小児領域で専門的に行っている医療機関は少なく、近畿圏のみならず西日本の多くの地域から患者さんが来院されています。小児消化器科医が、小児内視鏡検査(上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、カプセル内視鏡、小腸バルーン内視鏡、内視鏡下ポリープ切除など)を担当し、年間250件以上施行しています。小児では、鎮静・麻酔がほぼ必須となりますが、当科では小児麻酔科医に鎮静・麻酔管理をお願いし、より安全に内視鏡が行えるような環境を整備しました。
肝疾患に関しては、肝生検を年20件程度行っています。B型・C型のウイルス性肝炎診療に力を入れており、産婦人科と連携してB型・C型肝炎キャリアの妊産婦の出産も積極的に受入れています。また、当院小児外科と連携し、胆道閉鎖症や胆道拡張症などの疾患の診断や手術後のフォローをしています。

炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患(IBD)とは、腸に慢性的な炎症が起きる病気で、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管ベーチェット病が挙げられます。近年、成人だけでなく小児でも患者さんの数が急激に増加しています。また6歳未満で発症するIBDは、Very early onset IBD(VEO-IBD)と言われ、成人とは異なる病態・病因が示唆されています。当科では、西日本随一の小児(乳児から高校生まで)の炎症性腸疾患の専門施設であり、本邦の治療指針や欧米のガイドライン・コンセンサスに基づき、的確な診断・治療をお子さん・ご家族に提供できるよう、努力しています。また日本国内の専門施設との共同研究を積極的に行い、小児IBD診療・治療の発展に貢献できるように取り組んでいます。入院が必要な場合には、病院内の支援学校に通学することができ、地元校の欠席日数・学力の遅れなどに対する心配を軽減することが可能です(対象は中学生まで)。炎症性腸疾患あるいは炎症性腸疾患が疑われる症状でお悩みの際は、ご相談ください。

診療実績(2020年)

初診患者数858名、再診患者数16,626名(実患者数5,059名)で、新入院患者数は、657名。

成長ホルモン負荷テスト 219件
成長ホルモン治療
(うち新規成長ホルモン治療開始:45件)
449件
上部消化管造影/十二指腸チューブ挿入 77件
24時間pHモニタリング 22件
上部消化管内視鏡検査 137件
下部消化管内視鏡検査 106件
カプセル内視鏡検査 17件
経皮的針肝生検 20件
病院全体で在宅IVH(経静脈的高カロリー輸液)
および在宅成分栄養
在宅経管栄養
(管理の中心は当科)
20件
53件
260件

スタッフ紹介

職名
医師名
専門医・資格/学会/専門分野
主任部長
惠谷 ゆり

医学博士(大阪大学)
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医
日本肝臓学会認定肝臓専門医

日本臨床栄養代謝学会TNT(Total Nutrition Therapy)研修終了

日本小児科学会(代議員)
大阪小児科学会(運営委員)
日本小児栄養消化器肝臓学会(理事)
日本肝臓学会(専門医、西部会評議員)
日本小児内分泌学会
日本内分泌学会
日本小児感染症学会
日本静脈経腸栄養学会
日本臨床栄養学会(評議員)

米国消化器病学会(AGA)

ウィルス性肝炎、代謝性肝疾患、栄養、内分泌

副部長
川井 正信

医学博士(大阪大学)
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医・認定教育施設教育責任者

日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医

日本小児科学会
日本小児内分泌学会 評議員
日本小児栄養消化器肝臓学会 代議員
日本内分泌学会 評議員
日本骨代謝学会
日本人類遺伝学会

日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)
小児内分泌疾患、小児栄養消化器肝臓疾患
副部長
萩原 真一郎

医学博士(大阪大学)
日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医

日本臨床栄養代謝学会TNT(Total Nutrition Therapy)研修終了

日本小児科学会、日本小児栄養消化器肝臓学会、米国消化器病学会(AGA)、日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会、日本内分泌学会、
日本炎症性腸疾患学会

Asian Pan-Pacific Society for Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition (APPSPGHAN) Endoscopy subcommittee member
小児栄養消化器肝臓、小児内視鏡、小児炎症性腸疾患
副部長
和田 珠希

日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医 

日本内分泌学会内分泌代謝科専門医

日本小児科学会
日本内分泌学会
小児内分泌学会
小児栄養消化器肝臓学会

周産期新生児医学会
内分泌、小児栄養消化器肝臓
診療主任
前山 隆智
日本小児科学会認定小児科専門医

日本小児科学会
日本内分泌学会
日本小児内分泌学会
日本小児栄養消化器肝臓病学会

日本周産期・新生児医学会
内分泌、小児栄養消化器肝臓、小児内視鏡
肥塚慶之助

日本小児科学会、日本小児栄養消化器肝臓学会

小児科一般、小児栄養消化器肝臓
畑彩葉

小児科学会 日本小児栄養消化器肝臓病学会

内分泌、小児栄養消化器肝臓