MENU MENU CLOSE CLOSE

調べる

診療科・部門のご案内

キービジュアル

集中治療科

診療科の概要

 小児集中治療室(PICU)では、主に生まれてすぐの新生児から中学生くらいまでの幅広い年齢のお子さんの治療が行われていますが、時に成人の患者さんや妊婦さんの治療が行われることもあります。従来、日本では小児を専門とした集中治療室を設置するという観念に乏しく、成人の集中治療室の中でこどもの治療が行われたり、一般小児病棟で重症患者さんの治療をせざるを得ない状況がありましたが、小児と成人では疾患や病態が異なること、医療器具も様々なサイズが必要であるなど、こどもは専用のPICUで治療を行うことが望ましいと思われます。

 当科のPICUでは、どんな重篤なお子さんでも、24時間365日専門的な医療が提供できることを目指しています。実際に、心臓手術などの大きな手術を受けられた方、大阪はもちろん、他府県からの各地域の基幹病院から緊急搬送された重症の肺炎やけいれん重積などを伴った小児患者、新型コロナウイルス感染症による重症化した小児例、そして最重症で緊急性の高い心肺停止などで救急搬送されたお子さんに対して、日々治療や看護が行われています。それらの実績から、当センターは大阪府の「重篤小児患者受入ネットワーク」の拠点施設の指定を受け、2018年には小児救命救急医療センターとしての運用を開始しております。

 もちろん、このような医療には、小児集中治療医のみならず、各専門診療科、知識と経験のある看護師、臨床工学技士、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など、それぞれがプロフェッショナルとして連携して診療にあたることが不可欠です。2023年現在、当PICUは後方病床を含む18病床において、日本集中治療医学会認定集中治療専門医5名を含むPICU専属医師14名に加えて、各診療科からのスタッフやレジデント、および専属看護師約60名により構成され、年間入室患者数は800人前後と、日本でも有数の体制を確保しています。また、専門医の育成にあたること、地域において小児集中治療研修を提供すること、世界を見渡した根拠のある医療を実践するとともに、臨床研究などを通してより良い医療のための情報発信をしていくことも微力ながら我々の使命と考えています。

 小児医療の「最後の砦として」、あらゆる疾患の、あらゆる地域の重篤なお子さんを24時間365日受け入れ、1日でも早く回復できることを目指すことは我々の使命と考えていますが、一方で、最善の医療を尽くしても良い結果にたどり着かないことがあるのも事実です。そのような場合でも、最後まで「心」のある医療を提供できることが必要です。今後も地域に必要とされる施設であるために尽力いたしますので、引き続き皆様の温かいご支援を頂ければ幸いです。

主な対象疾患

周術期管理

  • 先天性心疾患(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、心内膜症欠損症、単心室、左心低形成症候群、総肺静脈還流異常症、ファロー四徴症、Ebstein奇形、完全大血管転位、大動脈離断症などの術前後の管理、心臓カテーテル検査後の管理)
  • 小児外科(先天性横隔膜ヘルニア、肺分画症、CPAM、中腸軸捻転、臍帯ヘルニア、消化管閉鎖、消化管穿孔、漏斗胸、胆道閉鎖症、気管狭窄、固形腫瘍など)
  • 脳神経外科(脳腫瘍、頭蓋骨早期癒合症、頭部外傷など)
  • 整形外科(神経移植、関節手術など)
  • 耳鼻咽喉科(気管切開術後、扁桃摘出術など)
  • 泌尿器科(総排泄腔遺残など)

重症疾患の管理

  • 心肺停止蘇生後
  • 重症肺炎、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、気管支喘息、クループ症候群、急性喉頭蓋炎、喉頭軟化症、気管狭窄症など
  • ショック、敗血症
  • 血液・悪性腫瘍疾患
  • 急性脳炎・脳症、神経筋疾患の急性増悪

特殊治療

ECMO(体外式膜型人工肺)、体温管理療法、一酸化窒素吸入療法、窒素吸入療法、ヘリウム吸入療法、持続的血液浄化療法、腹膜透析、血漿交換など。

集中治療科ではその他、病棟や救急外来におけるコンサルテーションや蘇生処置、中心もしくは末梢静脈カテーテルの留置、BLS、PALSなどの蘇生講習、呼吸器管理のコンサルテーション、地域の子どもたちのためのきっずセミナーなども行っています。

主な検査と治療

2022年データ

人工呼吸 373
小児新型コロナ人工呼吸例 16
体外式膜型人工肺(ECMO) 7
体温管理療法
(TTM: Targeted Temperature Management)
20
一酸化窒素療吸入法 55
持続的血液浄化療法 33
High Flow Nasal Cannula 253

集中治療科 レジデント教育目標

当院PICUの特色

10床の特定集中治療室管理料1加算病床を中心に最大18床を管理します。治療方針や治療内容について主科と共に決定しており、朝夕2回の全体カンファレンスで密に連携を取っています。昼にはICUメンバーのみで詳細なカンファレンスを行い診療の質向上を目指しています。ICU外でも、救急外来での重症患者の診療、院内迅速対応システム(RRS Rapid Response System)による病棟での急変患者対応、院内心肺蘇生のリーダーなど、病院全体の重症患者のケアに寄与しています。また、大阪府重篤小児患者受入ネットワーク拠点施設、小児救命救急医療センターに指定されており、大阪はもとより他府県から紹介患者や救急患者をICUに受け入れています。

20234月現在、当科には14名の専属医師がおり、うち集中治療専門医が6名です。その他、麻酔科専門医、小児科専門医、呼吸療法専門医など様々な専門分野とバックグラウンドを持ったスタッフがそろい、お互いから学び合える環境になっています。

臨床に加え、学術的な活動にも注力しています。また、積極的にキャリアアップの支援を行っています。

レジデント教育目標

当センターの集中治療科で研修することで、全国の小児集中治療室で即戦力として活躍できる医師に成長することを目標とし、また、最短で集中治療専門医受験資格を得られるよう指導します。具体的行動目標については2013年「日本集中治療医学会による集中治療教育プログラム」参照。
さらに、小児集中治療だけでなく、レジデント終了後の進路選択の幅をできるだけ広くするような教育を行います(希望により多くのレジデントが当院での2-3ヶ月間の麻酔科研修を行います)

業務内容

平日日勤は8時から16時半(勤務体系については、柔軟に対応可能ですのでご相談ください。)、当直業務は月平均で6-7(うち週末2)程度です。毎週火曜日に各人の研究進捗確認・木曜日に論文抄読会を行なっており、不定期でレジデント向け講義を行なっております。論文作成や学会発表や研究など学術的な活動も奨励しており、スタッフが丁寧に指導します。

募集対象

小児集中治療を学びたい、重症小児を救うために働きたいという意思のあるすべての方(成人集中治療や麻酔に従事され小児経験が全くない方も含め、広く門戸を解放しております)

見学をご希望の方や就職希望の方はyshimizu(アット)wch.opho.jp(アットの部分を@に変換)までご連絡ください。

救急・総合診療科 医師募集

関連リンク

診療成績は、「予防死亡率と実死亡率の年次推移」のとおりで、常に予測死亡率を下回っています。人工呼吸器をはじめ、持続血液ろ過透析や、一酸化窒素吸入療法、窒素吸入療法、体温管理療法(TTM)、ECMOなども行っています。

診療科別入室患者

診療科別入室患者
入室患者数 804
緊急入室数 309(38.4%)
他施設からの搬送 66
心肺蘇生後の入室 15

予防死亡率と実死亡率の年次推移

予防死亡率と実死亡率の年次推移

他施設からの搬送数

他施設からの搬送数

スタッフ紹介

  • 清水 義之

    部長

    清水 義之
    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本外科学会認定外科専門医 日本小児外科学会認定小児外科専門医 PALSプロバイダー 日本集中治療医学会 日本小児外科学会 日本外科学会 日本外科代謝栄養学会 日本静脈経腸栄養学会
  • 籏智 武志

    副部長

    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本小児科学会認定小児科専門医・指導医 麻酔科標榜医 インフェクションコントロールドクター(ICD) 日本集中治療医学会 日本小児科学会
  • 稲田 雄

    副部長

    稲田 雄
    所属学会・資格など 米国小児科学会認定小児集中治療専門医 米国小児科学会認定小児科専門医 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本専門医機構認定小児科専門医・指導医 日本呼吸療法医学会認定呼吸療法専門医 臨床研修指導医 JPLSインストラクター 日本集中治療医学会(評議員) 日本小児科学会 日本呼吸療法医学会 医療の質・安全学会 
  • 川村 篤

    副部長

    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本麻酔科学会認定指導医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本心臓血管麻酔学会認定心臓血管麻酔専門医・指導医 日本呼吸療法医学会認定呼吸療法専門医 麻酔科標榜医 JATECプロバイダー  日本集中治療医学会 日本麻酔科学会 日本心臓血管麻酔学会 日本小児麻酔学会 日本呼吸療法医学会
  • 井坂 華奈子

    副部長

    所属学会・資格など 日本専門医機構認定小児科専門医 PALS・JATECプロバイダー 日本集中治療医学会 日本小児科学会 日本小児救急医学会 
  • 祖父江 俊樹

    医長

    所属学会・資格など 日本小児科学会認定小児科専門医・指導医 PALSインストラクター 日本集中治療医学会 日本小児科学会 日本小児循環器学会 日本小児循環器集中治療研究会
  • 赤松 貴彬

    医長

    所属学会・資格など 日本集中治療医学会 日本小児科学会
  • 伊東 幸恵

    医長

    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本専門医機構認定小児科専門医 日本呼吸療法医学会認定呼吸療法専門医 PALSインストラクター JATECプロバイダー 日本集中治療医学会 日本呼吸療法医学会 日本小児科学会
  • 中村 さやか

    診療主任

    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本集中治療医学会 日本麻酔科学会
  • 森田 可奈子

    所属学会・資格など 日本専門医機構認定小児科専門医 PFCCSプロバイダー PALSプロバイダー 日本小児科学会 日本集中治療医学会 日本小児救急医学会 日本小児麻酔学会 日本麻酔科学会
  • 山野 由貴

    所属学会・資格など 小児科学会認定小児科専門医 日本小児科学会 日本小児栄養消化器肝臓学会 日本小児内分泌学会 日本内分泌学会 日本集中治療医学会
  • 権守 延寿

    所属学会・資格など 日本小児科学会認定小児科専門医 日本小児科学会認定出生前コンサルタント小児科医 小児慢性特定疾患指定医 PALSプロバイダー NCPRプロバイダー 日本小児科学会 日本小児循環器学会 日本先天性心疾患インターベンション学会 日本小児循環動態研究会 日本集中治療医学会 日本胎児心臓病学会
  • 郷間 瑞輝

    所属学会・資格など PALSプロバイダー 日本小児科学会 日本集中治療医学会
  • 竹内 宗之

    非常勤医師 (前主任部長)

    竹内 宗之
    所属学会・資格など 日本集中治療医学会認定集中治療専門医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本呼吸療法医学会認定呼吸療法専門医 日本小児麻酔学会認定医 災害時小児周産期リエゾン 大阪大学医学部臨床教授 兵庫医科大学臨床教育教授 日本集中治療医学会(理事) 日本麻酔科学会 日本呼吸療法医学会(評議員・機関紙「人工呼吸」編集委員会委員長) 日本小児麻酔学会(評議員) 日本小児科学会 日本小児循環器学会 日本小児救急医学会 日本小児集中治療研究会(理事長)