小児の腎・尿路系疾患及び生殖器系疾患に対して幅広い活動を行っています。
腎・尿路系の代表的なものは水腎症、多嚢腎、巨大尿管、膀胱尿管逆流、尿管瘤、尿道弁などの先天性疾患で、最近では出生前に胎児超音波検査でみつかる場合も少なくありません。
当科では産科、新生児科との協力のもと出生前のお子さんに対しても積極的に診療に取組み、豊富な経験を生かして知識の提供や治療方針の選択に関するアドバイスを行っています。
また、腎・尿路の評価に重要な造影検査、RI(ラジオアイソトープ)検査は泌尿器科医師が自ら行い、被曝量を最小限に抑え、かつ正確な情報が得られるよう努めています。
生殖器系疾患の主なものは停留精巣、尿道下裂などで、乳児期より多くの手術を行っていますが、赤ちゃんの陰嚢水腫や包茎といった自然治癒が大いに期待できる疾患に対してはむやみに手術を行わず、経過観察をお勧めしています。性分化疾患に対しては、出生時よりご両親のカウンセリングを含め、泌尿器科のみならず小児内分泌科、発達小児科、専任看護師、ソーシャルワーカーなどからなるチーム医療に努め、細やかに対応しています。また、ストマを有するお子さまに対しては特殊外来を設け、排泄に関する相談・管理を行っています。
泌尿器科の先天性疾患に対する主な治療は手術ですが、停留精巣などでは日帰り手術も可能です。 また、2015年より生体腎移植を再開しました。
・超音波検査、排尿時膀胱尿道造影、核医学(RI)検査が主な検査です。また、CT、MRI、上部尿路造影などを必要に応じて行います。
・膀胱(下部尿路)機能を詳しく調べるためにX線透視を用いたビデオウロダイナミック検査を施行します。
内視鏡検査
下部尿路の病変を調べるための膀胱尿道鏡検査と腹腔内を調べる腹腔鏡検査を行います。小児の場合、いずれも入院の上、全身麻酔が必要です。
・尿路・外性器形成術が主な治療になります。手術は、困難で長時間となる場合もあり、適切な入院期間にて管理を行います。
日帰り手術
・停留精巣など短時間で手術が終了する疾患が対象です。
2022年の年間初診患者数は776名で、近畿圏のみならず全国より紹介いただいております。手術件数は年間428件で、なかでも膀胱尿管逆流に対する逆流防止術は40件(内視鏡手術を含む)、停留精巣に対する手術は100件、尿道下裂修復術は65件と国内では症例数が最も多い施設の一つです。
松本 富美
主任部長
主な専攻分野 | 小児泌尿器科 |
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所属学会・資格など | 日本泌尿器科学会専門医・指導医・代議員、小児泌尿器科学会認定医・評議員、日本逆流性腎症フォーラム監事、日本小児内分泌学会会員、Asia Pacific Association of Pediatric Urologists会員、Korean and Japanese Society of Pediatric Urologist 会員 |
略歴 | 1990年和歌山県立医科大学卒業 |
ひとこと | 誠実で安全な診療を心がけています。 |
松井 太
副部長
主な専攻分野 | 小児泌尿器科、アンドロロジー |
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所属学会・資格など | 日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本小児泌尿器科学会認定医・評議員、 日本泌尿器内視鏡学会会員、日本小児外科学会会員、日本内分泌学会会員、日本アンドロロジー学会会員、 日本排尿機能学会会員、日本小児腎臓病学会会員、 日本逆流性腎症フォーラム会員、 日本小児ストーマ・排泄・創傷管理研究会世話人、American Urological Association会員、International Children's Continence Society会員、Asia Pacific Association of Pediatric Urologists会員、Korean and Japanese Society of Pediatric Urologist会員 |
略歴 | 2000年金沢大学医学部卒業 |
ひとこと | レフ・トルストイの言葉に、「子どもには、すべてに対して最も大きな可能性がある。」があります。 私はこの言葉が好きです。 私の医療に対する基本方針です。 1.お子さんやご家族に、隠し事なく、正しい医学的情報をお伝えし、誠心誠意対応します。 2.お子さんやご家族の不安や疑問には、すぐにお答えします。 3.お子さんの発達や成長を見守り、最終的にお子さんが自立できるように支援します。 |
上田 祐子
診療主任
主な専攻分野 | 小児泌尿器科 |
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所属学会・資格など | 日本泌尿器科学会専門医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 日本小児泌尿器科学会会員 日本小児外科学会会員 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会会員 日本泌尿器腫瘍学会会員 |
略歴 | 2013年 和歌山県立医科大学 卒業 |
ひとこと | お子さん自身とご家族が不安なく治療を受けられるよう、誠心誠意努めます。 |
植野 尭
主な専攻分野 | 一般泌尿器科 |
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所属学会・資格など | 日本泌尿器科学会専門医 日本小児泌尿器科学会会員 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会会員 日本泌尿器腫瘍学会会員 |
略歴 | 2015年 宮崎大学医学部卒業 |
ひとこと | より良い医療を提供できるよう努力致します。よろしくお願いします。 |
筒井 健司
主な専攻分野 | 一般泌尿器科 |
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所属学会・資格など | 日本泌尿器科学会会員 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会会員 日本泌尿器腫瘍学会会員 腎移植・血管外科研究会会員 日本癌治療学会会員 日本排尿機能学会会員 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 |
略歴 | 2020年 大阪大学医学部卒業 |
ひとこと | 分かりやすい説明と、誠実な対応を心がけ、安心して治療を受けていただけるよう努めていきます。 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午 前 | 一般外来 (松本/松井) 排尿機能検査 (ビデオウロ ダイナミック検査) |
手術 | 一般外来 (松井) |
手術 |
一般外来 |
造影検査 | RI検査 | ||||
午 後 | 一般外来 (松本/松井) |
手術 | 一般外来 (松井/上田) |
手術 | 一般外来 (1,3,5週 上田/ 2,4週 松本) |
RI検査 | 移行期・ ストマ外来 (第1,3週) |
小児医療部門
(内科系)
中央診療部門