小児神経科では、小児の神経(中枢・末梢神経障害)及び筋肉が原因となる病気を対象にしています。
対象疾患としてはてんかん・熱性けいれん・発作性疾患(泣き入りひきつけ、片頭痛)・精神遅滞・神経筋疾患・脳性麻痺・神経変性代謝疾患などです。
ビデオ脳波検査を用いて正確な診断と適切な治療を目標にしています。また、障害児の QOL 向上を目指し、包括的なチーム医療の院内における中心的役割を担っています。
脳波・24時間ビデオ脳波監視システム・ MRI ・ MRA ( MR アンギオグラフィー)・ MRS ( MR スペクトロスコピー)・CT・脳血流検査 (SPECT) ・電気生理検査(聴性脳幹反応、神経伝導速度、筋電図等)・筋生検
小児では年齢とともに運動発達が伸びていき、歩いたり走ったりできるようになります。しかし時に、運動発達の伸びがみられなかったり、当初は歩けていたのに徐々に歩けなくなったりすること(=運動退行)がみられることがあります。原因の一つに筋肉の病気(=筋疾患)が考えられます。
筋疾患には多くの種類があり、筋ジストロフィーや先天性ミオパチー、他にも代謝性筋疾患などがあります。
臨床症状より疑い、血液検査(抗体、遺伝子を含む)・画像検査・神経生理検査などを行い確定診断します。
それでも診断できない場合、当科では筋肉を採取し、顕微鏡で確認し診断をつける筋生検を実施しています。
近年では一部の筋疾患に治療法が開発されており、確定診断の重要性が高まっています。また早期に筋生検を行うことで、治療開始がより早期に可能となる疾患もあります。
症状と他の検査では確定診断に至らず筋生検を実施。 ①炎症細胞浸潤が著明 ②筋束周囲の筋萎縮 を認め
若年性皮膚筋炎と診断。 筋生検の翌日より直ちに免疫調整療法(ステロイドパルス療法)を開始。
当科では、筋疾患の診断のための筋生検を実施しています。症状や検査より確定診断に筋生検が必要な患者さんがおられましたら、以下までお問合せください。
連絡先:0725-56-1220(代表)あるいは koji1026(a)wch.opho.jp (a)を@に変換してください
小児神経科 富永 康仁
外来患者数は1日あたり60人(2022年の1年間外来実患者数は3,835人)で、1日の平均入院患者数は27人前後です。主な疾患はけいれん性疾患(てんかん、熱性けいれん)、発達の遅れで、専門スタッフが診療にあたっています。
てんかんは必要に応じ24時間ビデオ脳波監視システムを用いて発作時脳波を記録し、正確な診断を行った上、治療を行っています。特に乳児期発症のてんかん性脳症(ウエスト症候群、大田原症候群、早期ミオクロニー脳症等)は、経験も豊富で(年間10例)、これらの実績は論文、国内学会、国際学会で報告しています。けいれん重積もPICUと連携して積極的に受け入れています。
また、神経・筋疾患(先天性筋ジストロフィー、先天性ミオパチー等)の症例も多く(年間数例)、いずれも遺伝子診断、筋生検にて診断を行っています。当センターでは脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療を行っています。
柳原 恵子
主任部長
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定 小児科専門医、指導医 日本小児神経学会認定 小児神経専門医、評議員 日本てんかん学会認定 てんかん学会専門医、指導医、評議員 日本臨床神経生理学会認定 日本臨床神経生理学会専門医、 指導医(脳波部門) 身体障害者福祉法に基づく指定医 (肢体不自由) |
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最上 友紀子
副部長
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定小児科専門医 日本小児神経学会認定小児神経専門医 大阪小児てんかん研究会世話人 日本てんかん学会認定 てんかん学会専門医、指導医、評議員 身体障害者福祉法に基づく指定医 (肢体不自由) |
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富永 康仁
副部長
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定小児科専門医、指導医 日本小児科学会認定 出生前コンサルト小児科医 日本小児神経学会認定小児神経専門医 日本てんかん学会認定 てんかん学会専門医、指導医 日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医 阪神小児神経筋疾患研究会、世話人 身体障害者福祉法に基づく指定医 (肢体不自由) |
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木水 友一
副部長
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定小児科専門医 日本小児神経学会認定小児神経専門医 日本てんかん学会認定 てんかん学会専門医 身体障害者福祉法に基づく指定医 (肢体不自由) |
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中島 健
診療主任
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定小児科専門医 |
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沖 啓祐
診療主任
所属学会・資格など | 日本小児科学会認定小児科専門医 |
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山崎 苗穂子
医師
堀部 拓哉
医師
小児医療部門
(内科系)
中央診療部門