生まれつき耳が小さく、耳の一部~全部がない状態で、様々な耳の形の患者さんがいます。小耳症の患者さんは、見た目の問題と聴力の低下が問題となります。聴力に関しては耳鼻科の先生に相談し、必要であれば補聴器の調整をしてもらいます。
当科では耳を作る手術を担当しています。手術をすることにより、見た目が改善することと、メガネやマスク、耳掛け式や耳にはめる補聴器が使いやすくなります。
手術は肋軟骨を使って耳の形を作ります。手術では、患者さん本人の肋軟骨から耳の軟骨の形を作り、耳を作る位置の皮膚の下に埋め込みます。
2回目の手術で埋め込んだ耳の裏側に皮膚を移植し、耳の後ろの溝を作ります。
手術は、体がある程度成長して(胸囲60cm以上が目安です)、肋軟骨がまだ柔らかい10~20歳の間に行うことが望ましいです。1回目も2回目も約2週間の入院で、全身麻酔が必要になります。
術後はしっかりとマスクもかけることができ、患者さんも満足しています。
術後の耳に患者さんは満足されており、ピアスをつけて来院してくれました。
耳の上部が埋没している、耳が折れている、立っている、尖っているなど様々な耳の変形に対して治療を行っています。
乳児期に受診された場合はまずは当科独自の手作りの矯正器具やテープを使用して矯正治療を行います。この治療により治ることも多いですが、気になるような変形が残る場合は、手術による治療を検討します。手術で残る傷はほとんど耳の後ろに隠れるので、術後は変形が改善し傷も目立ちません。
手術はせずに器具による治療で、マスクやメガネが問題なくかけられる耳となりました。
器具による治療では改善せず、手術治療を行いました。良好な耳の形となりました。
手術による治療で良好な耳の形になりました。
手術による治療で良好な耳の形になりました。
手術によりきれいな耳の形になりました。
手術により、変形は改善しました。
耳たぶが裂けた状態です。見た目が気になる場合は手術による治療を行います。
ひとりひとりの変形に応じて適切と思われる方法を検討し、できるだけきれいな耳たぶを作ります。
手術により、耳たぶの裂け目が目立たなくなりました。
耳たぶの裂け目を手術により治しました。
耳の組織が余分に耳の周りや顔、首などに存在することによりできます。
副耳の根本が細いものについては外来で結紮治療による対応が可能です。
より綺麗に治したい場合や、結紮できない形の副耳の場合は手術による治療を行います。ひとりひとりの副耳の形に応じて、できるだけ傷が目立たず変形を残さないように治療を行っています。また可能な限り、抜糸が不要となるように皮膚を縫合しています。抜糸が不要なため術後の負担が少なく、糸痕が残らずより綺麗に治す効果が期待できます。
手術後は傷もめだたず、きれいになりました。
手術後は膨らみはなくなり、自然な耳の形になりました。
手術後は膨らみはなくなり、傷もほとんどわかりません。
耳の前などに筒状に皮膚のくぼみ(瘻管)が形成した状態です。くぼみに垢などの分泌物がたまり匂いが出ることがあります。また感染を起こすことがあります。感染を繰り返す場合は手術で瘻管を切除することにより治癒が期待できます。
小児医療部門
(内科系)
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