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骨延長術について

骨延長術は、麻酔下に人工的に骨折させ(骨切りすると言います)、その骨切りした部分が治癒する過程で生じる「未熟な骨の元(仮骨)」を術後にゆっくりと牽引することで骨を延長する治療法です。骨を牽引して延長するための器械(創外固定器)を取り付けるところまでが手術になります。主な対象として脚長差・骨変形・低身長などがあります。

創外固定器を骨を延長する手段として用いず、単に固定器具として骨折の治療に用いることもあります。創外固定器は、体内で骨折を固定するプレートやスクリューなどの内固定材料に比べ、手術後の調節が可能である、また一般的に強固な固定が可能であるなどの利点があります。一方で体外に器械が突出しているために衣服に工夫が必要であることや、入浴・シャワーに制限があることが欠点となります。

骨延長術は決して容易な手術ではありませんし、手術で治療が終了するわけではありません。創外固定器が付いた状態で長期間生活する必要があります。
創外固定器は金属製のピンやワイヤーで骨とつながっています。ピンやワイヤーは皮膚を貫いていますので日々のケアが大切です。ただし、見た感じ痛そうですが、感染などの問題を生じない限り痛みは全くありません。

骨延長の速さは1日に1mmを基準に仮骨のでき方によって調節します。
仮骨のできが悪いときは延長を一旦中止することもあります。
予定通りの延長量に達したら、今度は仮骨が成熟して固い本当の骨になるまで待つ必要があります。
その後、創外固定器を除去して治療が完了します。おおよそ、1cm骨を伸ばすのに1か月かかる計算になります。したがって、骨の延長量によって治療にかかる期間は大きく異なることになります。

(文責 : 川端 秀彦)