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合指症について

合指症は生まれつき隣り合った指どうしがくっついた状態を指します。指がお母さんの胎内で形成されてゆく過程で何らかの問題が生じたために本来分かれる組織が分かれそこなったと理解してください。

合指症には大きく分けて二つの型があります。ひとつは指が皮膚だけでつながっていて皮膚の中では独立している皮膚性合指です。そのほとんどの場合、ひとつひとつの指は正常に近いです。明らかに正常ではない場合は他の疾患(短合指症、先天性絞扼輪症候群など)を考える必要があります。

もう一つの型は骨性合指です。骨どうしが癒合しているので独立した動きが制限されています。爪が癒合している場合はこの型の合指と考えて間違いありません。骨性合指の中には合指症と診断して治療するよりも、他の疾患(中央列形成不全、尺側列形成不全など)の一表現形として合指が見られると考えて治療した方がよいものがあります。治療後も多少の変形が残存することが多いです。

治療の目的は指を分離して、できるだけ正常に近い指を作ることにあります。そのために単純に指間を切るだけではいけません。切っただけでは合指の再発や指の変形が必ず生じます。したがって、手術では指間を分けた後にできた皮膚欠損部に植皮をする必要があります。また、成長に伴って変形を生じる可能性があり、それを予防するためにジグザグした切開を用いる必要があります。

このようにいろいろな操作を術中に行うため、手術時期をあせってはなりません。小さすぎる指に対しての手術は思い通りに行かない可能性があります。手術は、皮膚性合指の場合6か月から1歳をめやすに行います。骨性合指では合指になっていることが成長に障害を与える危険性があり、皮膚性合指より早めに手術をするべきです。

(文責 : 川端 秀彦)