重症複合免疫不全症(SCID)スクリーニング検査の実施について
大阪府では昭和52年から新生児マス・スクリーニング検査が公費で実施されており、毎年ほぼ全員の赤ちゃんが受検されています。対象疾患は一次対象疾患が20疾患、2次対象疾患が5疾患であり、大阪母子医療センターでは検査機関として多くの赤ちゃんの先天性の疾患の早期発見、早期治療に貢献してきました。
この度、大阪母子医療センターでは2020年8月より拡大新生児マス・スクリーニング検査 重症複合免疫不全症(SCID)スクリーニング検査を実施することになりました。
マス・スクリーニング対象疾患の条件は「先天性疾患であり、治療可能で、早期診断が有効であること」があげられます。重症複合免疫不全症(SCID)は免疫不全の中でも乳児期早期に重症感染症で発症し、根治的治療が行われないと生後1年以内に致死的となる原発性免疫不全症です。重症複合免疫不全症(SCID)はマス・スクリーニングの対象疾患としての条件を満たしており、尚且つ2020年10月から生後2か月の乳児へのロタウイルス生ワクチンの接種が開始されることを踏まえ、ワクチン接種までに診断できるよう、従来の新生児マス・スクリーニング検査と同時に重症複合免疫不全症(SCID)のスクリーニング検査を実施する必要性が高まりました。
諸外国、日本国内でも免疫不全に関するスクリーニングは広がりをみせており、本来であれば公費で実施されるべきものであると考えますが、昨今の事情により、実現は難しく、既に、公費で実施されているマス・スクリーニング検査機関である大阪母子医療センター 新生児マス・スクリーニング検査室において保護者様の自己負担での検査を行うこととなりました。
赤ちゃんの健やかな成長のために、ご協力をお願いいたします。