大阪府では1977年から新生児マススクリーニング検査が公費で実施されており、毎年ほぼ全員の赤ちゃんが受検されています。対象疾患は一次対象疾患が20疾患、2次対象疾患が5疾患であり、大阪母子医療センターでは検査機関として多くの赤ちゃんの先天性疾患の早期発見、早期治療に貢献してきました。
2020年8月からは 重症複合免疫不全症(SCID)、2021年10月からは脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象疾患として、任意有料の拡大新生児マススクリーニング検査を実施してきました。これら2疾患についてはマススクリーニングの有益性が認められ、こども家庭庁の実証事業として大阪府では2024年3月から公費負担で全員が受検できる体制となりました。
マススクリーニング対象疾患の条件は「先天性疾患であり、治療可能で、早期診断が有効であること」があげられます。ライソゾーム病(LSD)は、細胞内の老廃物を分解するライソゾームの酵素の働きが弱いために全身の様々な臓器に症状がみられる疾患で約60種類が知られています。このうちいくつかの疾患には治療法やスクリーニング検査法があり早期の診断が可能です。大阪母子医療センターでは特に乳児期早期から発症する可能性があり、治療法、検査法が確立している3疾患(ポンぺ病(PD)、ムコ多糖症Ⅰ型(MPSⅠ)、ムコ多糖症Ⅱ型(MPSⅡ))について、あらたに拡大新生児マススクリーニング検査を実施することとなりました。
諸外国、日本国内でも上記疾患に関するスクリーニングは広がりをみせており、本来であれば公費で実施されるべきものであると考えますが、昨今の事情により、実現までには長い時間を要すると考えられることから、公費新生児マススクリーニングの検査機関である大阪母子医療センターにおいて保護者様の自己負担での検査を実施するものです。
赤ちゃんの未来の可能性を広げるためにも、ご協力をお願いいたします。
再採血の依頼書・沪紙を送付しますので、再採血をお願いします。
※公費マス・拡大マスはそれぞれの沪紙でそれぞれの検査を実施します。血液量不足や検体不備の場合、代用することはありませんので、送付前に採血状態の確認をお願いします。
※公費マス・拡大マスのどちらも再採血になる可能性もあります。採血回数が1回で済むようにできるだけの配慮は致しますが、検査項目によっては採血を急いでいただく場合もありますのでご了承願います。
以上の検査セットは必要数を大阪母子医療センター 新生児マススクリーニング検査室より発送させていただきます。下記の依頼書に必要事項を記入しFAXまたは郵送(検体と同封で構いません)でご依頼ください。
※公費マスの検査セットは従来通り、地区の医師会へご依頼ください。配布元は大阪府です。
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