集中治療科

集中治療科

診療科概要(2017年)

小児集中治療とは、おおよそ中学生以下の子どもが、外科系、内科系を問わず、身体のいろいろな機能がうまく働かなくなったきに、集中的に治療・看護を行うことです。そして、子どもができるだけ早く元の状態に戻ることを支援します。対象となる患者さんは、大きな手術(例えば心臓手術など)を受けられた子ども、病院の内外を問わず、病気や怪我などが原因で状態が悪くなった子どもなどです。

当センターは大阪府の重症患者さんの最後の砦としての役割を期待され、大阪府より「重篤小児患者受入ネットワーク」の拠点施設の指定を受けることになりました。したがって疾患や病態によらず、施設内の重症患者さんはもちろんのこと、他施設から紹介のあった重症患者さんの受入れを積極的に行うことが求められています。集中治療科では、幅広い疾患や病態に対応するために、すべての専門科と連携し、心と根拠のある医療を実践していきたいと考えています。

2017年現在、小児集中治療室(PICU)では12病床にて、集中治療専門医7名を含む専属医師12名と他科からのローテート医師数名、および専属看護師約50名による24時間体制の診療を行っており、日本でも有数のPICUの一つです。

救急外来

診療内容

周術期管理
○先天性心疾患(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、心内膜症欠損症、単心室、左心低形成症候群、総肺静脈還流異常症、ファロー四徴症、Ebstein奇形、完全大血管転位、大動脈離断症などの術前後の管理)
○小児外科(横隔膜ヘルニア、臍帯ヘルニア、消化管閉鎖、消化管穿孔・出血、漏斗胸、胆道閉鎖、気管無形成、固形腫瘍など)
○脳外科(脳腫瘍、頭蓋骨早期癒合症、頭部外傷など)
○整形外科(神経移植など)
○耳鼻科(気管切開術後など)
○泌尿器科(総排泄腔遺残など)
重症疾患の管理
○心肺停止蘇生後
○重症肺炎、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、気管支喘息、クループ症候群、急性喉頭蓋炎、喉頭軟化症、気管狭窄症など
○敗血症性ショック
○血液・悪性腫瘍疾患
○神経筋疾患
○急性脳炎・脳症、痙攣重積
特殊治療
ECMO(膜型人工肺)、脳低温療法、一酸化窒素吸入療法、窒素吸入療法、ヘリウム吸入療法、持続的血液浄化療法、腹膜透析、血漿交換など。

集中治療科ではその他、病棟や救急外来におけるコンサルテーションや蘇生処置、BLS、PALSなどの蘇生講習、呼吸器管理のコンサルテーション、地域の子どもたちのためのきっずセミナーなども行っています。

 

PICU

 

ECMO症例

診療実績 (2016年)

入室患者数
679
緊急入室数
245 (36%)
他施設からの搬送
65
心肺蘇生後の入室
17
人工呼吸
434(64%)
ECMO
9
脳低温療法
6
一酸化窒素療吸入法
95
窒素吸入療法
12
持続的血液浄化療法
29
腹膜透析
8
High Flow Nasal Cannula
216

入室科の内訳(人)

PICU入室患者さんのPIM2スコアによる予測死亡率と実死亡率(ICU死亡)の比較

スタッフ紹介

職名 医師名 学会認定資格等 所属学会等
主任部長 竹内 宗之 集中治療専門医
麻酔科指導医
日本呼吸療法医学会認定医
日本小児麻酔学会認定医
大阪大学医学部臨床教授
兵庫医科大学臨床教育教授
日本集中医療医学会(評議員)
日本麻酔学会
日本呼吸療法医学会(評議員)
日本小児麻酔学会(評議員)
副部長 清水 義之 集中治療専門医
日本外科学会認定医
日本小児外科学会専門医

PALSプロバイダー
日本外科学会専門医

日本集中治療医学会
日本小児外科学会
日本外科学会
日本外科代謝栄養学会
日本静脈経腸栄養学会
副部長 籏智 武志 集中治療専門医
小児科専門医
麻酔科標榜医
BLS・JPTEC・ACLS・PALSプロバイダー
日本集中治療学会
日本小児科学会
日本小児感染症学会
医長 稲田 雄 集中治療専門医
米国小児集中治療専門医
米国小児科学会専門医
日本小児科学会専門医・指導医
日本集中治療医学会
日本小児科学会
SCCM ESICM
診療主任 文 一恵 集中治療専門医
小児科専門医
新生児専門医
日本周産期新生児医学会
新生児蘇生法インストラクター PALSインストラクター

日本集中治療医学会
日本小児科学会
日本周産期・新生児医学会
日本未熟児・新生児医学会 
診療主任 井坂 華奈子

PALSプロバイダー

JATECプロバイダー

日本集中治療医学会
日本小児科学会
日本小児救急医学会

診療主任 祖父江 俊樹 小児科専門医
日本集中治療医学会
日本小児科学会
日本小児循環器学会
日本循環器学会
診療主任 谷口 昌志 集中治療専門医
小児科学会専門医
救急科専門医
麻酔科標榜医
臨床研修指導医JATEC,JPTEC,MCLS,MIMMSプロバイダー

日本集中治療医学会
日本小児科学会
日本救急医学会

日本小児救急医学会
日本呼吸療法医学会
日本中毒学会

医員 赤松 貴彬 PALSプロバイダー
ACLSプロバイダー
日本小児科学会
非常勤 竹下 淳 集中治療専門医
麻酔科指導医
救急科専門医
心臓血管麻酔専門医
小児麻酔認定医
周術期経食道心エコー認定医 National Board of Echocardiography Advanced PTEeXAM Testamur
CVCインストラクター(日本医学シミュレーション学会)
日本集中医療医学会
日本麻酔学会
日本心臓血管麻酔学会
日本救急医学会
日本呼吸療法医学会
日本小児麻酔学会
非常勤 伊東 幸恵 集中治療専門医
小児科専門医
PALSインストラクター
JATECプロバイダー
日本集中治療医学会
日本呼吸療法医学会
日本小児科学会
日本小児循環器学会
非常勤 山田 茉美 救急科専門医
外科専門医
JATECインストラクターJPTEC,MCLS,MIMMS,PFCCSプロバイダー
日本集中治療学会
日本救急医学会
日本外科学会
小児救急学会
非常勤 吉田 浩太 PFCCSプロバイダー 日本集中治療医学会
日本小児科学会
日本小児救急医学会
非常勤 奥村 純平 BLS・PALSプロバイダー 小児科学会
レジデント 青木 義紘 BLS・ICLS・PALS・JATECプロバイダー 日本小児科学会
日本小児救急医学会
日本小児感染症学会
日本熱帯医学会
日本渡航医学会
レジデント 三好 博実 ACLS・PALS・JATEC・JMECCプロバイダー
FCCS・PFCCSプロバイダー
日本救急医学会
日本集中治療医学会

集中治療科 レジデント教育目標 2017年版

当センターの集中治療科で3年研修することで、全国の小児集中治療室で即戦力として活躍できる医師にすることを目標とする。また、小児集中治療だけでなく、小児救急や成人集中治療を行うために必要な基礎的知識や技術を習得させることで、レジデント終了後の進路選択の幅をできるだけ広くするような教育を行う。そして、日本集中治療医学会専門医の資格を取得することを目標とする。

教育目標

日本集中治療医学会専門医レベルの集中治療医を育てることが重要であり、教育目標は以下の4項目とする。

  1. 集中治療の知識と技術の習得
  2. 小児特有の疾患の知識と技術の習得
  3. 集中治療医の役割の理解
  4. 集中治療領域の倫理の習得

具体的行動目標

具体的行動目標は、2013年に発行された「日本集中治療医学会による集中治療教育プログラム」によるが、当センターで特に重要視している内容は以下のとおりである。小児全年齢を対象とするが、成人にも対応できることを目標とする。

  1. BLSとALSなど

    気道確保
    骨髄針の挿入
    動脈・中心静脈ラインの挿入
    エコーガイドのライン挿入

  2. 呼吸

    異常呼吸の把握
    呼吸状態のモニター(血液ガスや食道内圧測定を含む換気メカニクスの把握、エコー)
    急性呼吸窮迫症候群や閉塞性肺疾患(ウィルス性呼吸器疾患を含む)の知識
    人工呼吸器や酸素療法・加湿の知識
    気管支ファイバー
    上気道狭窄病変への対応(気管・気管支軟化症を含む)

  3. 循環

    循環不全の早期把握(基本的なエコーも含む)
    循環モニターの選択と解釈(不整脈の診断も含む)
    急性期治療における循環作動薬・抗不整脈薬の使用
    水分バランスの調整
    ペースメーカーの利用
    ECMOの管理

  4. 中枢神経

    鎮痛剤・鎮静剤の使用(「2013 PAD guidelines」含む)
    意識レベル、鎮痛鎮静の評価
    痙攣・脳圧亢進症状への対応
    脳炎・脳症の全身管理
    新生児・乳児の脳エコー

  5. 肝腎・消化管・腹部
    肝腎機能の評価
    血液浄化の適応と管理
    肝・腎不全時の薬物動態
    イレウスの診断と対処

  6. 血液・凝固

    血小板減少の原因と治療
    凝固系異常の原因と治療

    輸血の適応
  7. 救急

    初期蘇生
    搬送
    必要な検査の選択
    適切な治療の選択

    基本的な画像診断(エコー含む)
  8. 感染

    感染部位に応じた起因菌の種類と頻度
    診断(グラム染色)
    適切な抗菌剤などの使用
    SSCG2016や日本版敗血症診療ガイドライン2016 (J-SSCG2016)に乗っ取った敗血症の治療

    感染予防の知識と実践
  9. 栄養・輸液

    栄養状態の評価
    病態に応じた経腸栄養と静脈栄養の選択
    電解質異常への対応、適切な輸液の選択

    血糖管理
  10. 先天性心疾患の管理

    先天性心疾患の新生児の管理
    単心室の循環管理
    フォンタン型循環の管理

    肺血管抵抗の制御(一酸化窒素、窒素使用の適応など含む)
  11. 新生児

    新生児の生理・解剖の基礎知識
    横隔膜ヘルニアの管理

    食道閉鎖症の管理
  12. 医療倫理

    医療倫理の基礎知識

  13. 院内での集中治療医の役割の認識
    各部門との協力
    病棟の重症患者の評価とICU入室の適応の決定
  14. その他の研修

    全国または国際規模の学術集会での研究発表
    レジデント研修期間において、最低1編の論文(症例報告も含む)を発表する
    抄読会を定期的に行い最新の知識を仕入れるとともに、論文を批判的に読む能力を身につける
    レジデント同士のピラミッド型の教育体制を敷き、教えることも学ぶ
    医学生・小児科レジデント・看護師の教育
    多方面の知識・技術を習得するため他部署へのローテートを推奨する