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腎生検について

1. 腎生検とはどんな検査ですか?

腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で直接観察する検査です。経皮的腎生検では背中からボールペンの芯程度の太さの針を腎臓に刺して組織を採取します。この操作は超音波装置で針が腎臓に当っているかどうかを観察しながら行います。局所麻酔(あるいは全身麻酔)や鎮痛剤を用いることで痛みは十分に軽減されます。検査に伴う背中の傷は長さ5mm半程度ほどの切り傷で、ほとんど跡は残りません。消毒や麻酔などの処置を全て含めて1時間以内に終了します。

※経皮的腎生検以外の方法について

1~2歳以下のお子さんや全身状態が悪い場合は針生検ができないことがあります。その場合に全身麻酔のもと、泌尿器科や外科の先生にお願いして、腰あるい は背中の部分にメスを入れて腎臓を直接見ながら組織を採取する方法(開放腎生検)で腎生検を行うことがあります。

2. 腎生検で何がわかるのですか?

腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で直接観察する検査です。経皮的腎生検では背中からボールペンの芯程度の太さの針を腎臓に刺して組織を採取します。この操作は超音波装置で針が腎臓に当っているかどうかを観察しながら行います。局所麻酔(あるいは全身麻酔)や鎮痛剤を用いることで痛みは十分に軽減されます。検査に伴う背中の傷は長さ5mm半程度ほどの切り傷で、ほとんど跡は残りません。消毒や麻酔などの処置を全て含めて1時間以内に終了します。

3. 腎生検の合併症はどのようなものがありますか?

腎生検では“出血”と“感染”が主な合併症です。

1. 出 血

出血は血腫または血尿としてあらわれます。

  • 血腫
    腎臓は血管が豊富な臓器なので、程度の差はあれ針を刺した部分から出血します。血液が腎臓の外側へ向けて滲みだし、腎臓を被っている薄膜との間に溜まったものを血腫(けっしゅ)といいます。
    “血まめ”のようなものです。小さな(径が数㎝以下の)血腫は大部分の患者さんにできますが、症状はなく自然に消失します。血腫が大きいと、検査後に腰背部痛を訴えたり、熱がでたりすることがあります(1%程度)。出血がさらに高度になれば輸血(1%以下)を必要とする場合があります。
    出血を少なくするために、検査前から止血剤の点滴や内服を開始し、検査後は傷口を圧迫して安静を守ってもらいます。
  • 血尿
    血液が尿の通路に流れ込むと血尿となります。程度が強い場合、見た目にも赤い血尿がでることがあります(3%くらい)。
  • 出血しても通常は自然に止血します。小児の国内調査では、1年間に行われた2045例の腎生検で、外科処置を要したものはわずか2例のみでした。私たちの施設では現在まで外科的処置や輸血を行ったことはありません。

2. 感 染

検査の針を体内へ押し込む時に皮膚に存在する菌を一緒に入れてしまったり、腎生検後に傷口が不潔になることによって起こります。針を刺す部位は一般の手術に準じた入念な消毒を行い、検査器材も手術道具と同様の滅菌処置をしています。また検査の直前に抗菌剤の投与を行うことで、感染を予防しています。

3. その他の合併症

非常にまれ(0.5%以下)ですが、これまでに報告されたことのある合併症には次のようなものが含まれています。

    • 腎臓のそばの臓器の損傷:肝臓、腸管などに誤って針を刺した。
    • 動静脈瘻(ろう):腎臓のなかの動脈と静脈の間に交通ができた。
    • 腎臓に嚢胞ができた。

腎生検に用いた薬で薬剤アレルギーを生じることがあります。麻酔薬や抗生物質などの薬剤アレルギーが心配(家族や親戚にそういう方がいらした、以前かかりつけ医に言われたことがあるなど)の方は申し出てください。

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