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長期フォローアップ外来について

小児がんの治療成績は年々向上し、小児がん経験者の約70%以上が治癒し多くの方が成人期を迎えるようになっています。病気の説明(病名告知)をうけ、治療を受けた医療機関や親元を離れて進学、就職している方もいらっしゃるでしょう。しかし、その中には何らかの健康上の問題を抱え、さまざまな心理・社会的問題で悩んでいる方も少なくありません。そのような小児がん経験者を長期にわたり支援する、新たな医療システムの必要性が認識され、当センターは長期フォローアップ外来を開設しています。

小児がんの治療を終了した後、身体的な成長や発達の過程で直面するさまざまな問題を晩期合併症と呼びます。晩期合併症とは、心機能障害や二次がんなど生命に関わるものや、成長障害、知能障害、てんかんや不妊症など日常生活のQOL(生活の質)に強く影響を及ぼすもの、肥満など生活習慣病につながるものなどさまざまです。

長期フォローアップ外来の主な目的は、1)あらかじめ自分がどのような健康上のリスクをもっているかを自覚し、心身健康の自己管理を行う、2)晩期合併症を早期に発見し、適切に対応することにより、日常生活に影響しないようQOLを向上させる、3)リスクのある合併症が臨床的に問題にならないように、予防的な視点での健康教育を受ける、などです。小児がん経験者が、自分が経験した病気や治療について知り、将来起こる可能性があることを理解し、必要な検査をきちんと受けて問題発生を未然に防ぐことが大事です。そのため、過去の治療内容を記録した冊子を配布し、患者自身が診療情報を正確に把握できるようにしています。

長期フォローアップ外来は、金曜日の午後に行っています。血液・腫瘍科、消化器・内分泌科、こどものこころの診療科で診察、検査を受けます。医師、看護師、臨床心理士らによる多職種カンファレンスで、検査結果や今後の対応策を検討します。晩期合併症発生時は専門外来で対応し、その内容によっては(生活習慣病など)、成人後必要に応じて内科専門外来を紹介しています。

治療終了後も、健康管理のために長期フォローアップの継続が大変重要です。治療終了後約5年以上が経過し受診が途切れている方や、治療終了後に何か気になっておられる方は、まずお気軽に小児がん相談窓口にご相談されるか、長期フォローアップ外来の予約をお取りください。

長期フォローアップ外来の流れ

1. 治療の記録

  • 治療終了時に患者本人に渡す
  • 治療内容
  • メッセージ

治療の記録

2. 外来受診(1回目)

  1. 計測
  2. 検査
  3. 血液・腫瘍科
    消化器・内分泌科の診察
  4. 心理相談・看護外来

3. 合同カンファレンス

  • 月に1回開催
  • 多職種カンファレンス
参加メンバー
血液・腫瘍科医師 消化器・内分泌科医師
看護師 臨床心理士
小児がん相談員 診療情報管理士

治療の記録

4. 外来受診(2回目)

治療の記録

5. 連携施設へ紹介(総合病院・専門病院)

連携施設

近畿ブロック小児がん診療病院連絡会参加施設(32施設)
大阪府立病院機構所属施設(4施設)
大阪府がん診療連携協議会参加施設(60施設)
隅病院(甲状腺疾患) など

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