口蓋裂の赤ちゃんは、生まれたときから発語器官のひとつである口蓋に問題があります。
しかし、一般的に1歳過ぎまでの赤ちゃんのことばには、「マンマ」や「ネンネ」など、母音や通鼻音(ナ行音、マ行音)が多いので、未手術の状態でも大きな支障にはなりません。
本格的にことば数が増え始めるまでには、手術によって口蓋の形態は整えられ、その後のことばの治療で正しい口蓋の機能と発音を覚えていくことができます。
手術前でも発音など気にせず、どんどん話しかけてあげましょう。
口蓋裂によることばの障害とは、話すときに息が鼻から漏れること(鼻咽腔閉鎖機能不全)から起こる不明瞭な発音のことをいいます。
さらに、歯並びや舌の運動性など他の要因が複雑に関連して歪んだ発音となることもあります。
しかし、適切な時期に手術を行い、ことばの問題に早い時期から取り組めば、手術後に鼻咽腔閉鎖機能不全や発音の障害が長く残ることは非常に少ないものです。
手術は1歳すぎに行われますが、それまでの間には家族の方が、ことばについて心配や不安を感じることも考えられます。
そこで、当センターでは、手術前のかなり早い時期から言語聴覚士による言語管理を始め、術後の障害をできるだけ予防するようにしています。
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(内科系)
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